比セブンイレブン独走、6月末前年比20%の2,087店に

ミニストップ491店、ファミリーマート72店等に大差

2017/08/13

フィリピンでもコンビニエンス・ストアが普及期を迎え、マニラ首都圏中心に競争が激化しつつある。現在は業界断トツのセ ブンイレブンをマーキュリー・セルフサービスやミニストップが追うという構図になっている。そして、2013年にはファミリーマートとサークルKが進出、 2015年3月にはローソンもフィリピン1号店をオープンした。 

 首位のセブンイ レブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが51.561%を所有(2016年末現在)するフィリピン・セブ ン社 (PSC)によって運営されている。PSCは1982年11月に設立され、1984年2月にケソン市エドサ通り沿いにオープンした。その後、店舗網拡充に注力、2013年末に1,000店の大台を突破、2016年末には1995店に達し、フィリピンでの24時間営業のブランド・コンビニエンスストア店舗数シェア約60%を 誇っている。このPSCは1998年2月4日にフィリピン証券取引所(PSE)に上場した。

 2017年上半期も店舗数が増加、3月8日に2千店に到達した。6月末には2,087店となり、前年同月末の1,740店から347店、率にして19.9%増加した。2016年以降に店舗数の減少が続くミニストップ(2017年6月末491店)やファミリーマート(同72店)との差を拡大させている。2017年には35億ペソを投じて約410店の出店を行う意向を表明済みである。
 
 なお、6月末のセブンイ レブン2,087店の地域別内訳はルソン地域1,686店(うちマニラ首都圏829店)、セブを中心とするビサヤ地域269店、ダバオを中心とするミンダナオ地域132店となっている。また自営店が46%、54%がフランチャイズ店となっている。

 このようなPSCの2017年上半期(1月~6月)の全店売上高は前年比16.9%増の180億7,050万ペソ、商品売上高は同10.0%増の153億1,720万ペソとなった。営業利益は同4.6%減の6億6,200万ペソ、純利益は同5.5%減の4億4,640万ペソ、1株当たり純利益(EPS)も同5.5%減の0.97ペソへと減少した。

 下表の様に、PSCの純利益は年間ベースでは順調に増加してきたが、今上半期は増加が一服となった。2016年上半期は総選挙(投票日5月)特需などにより、既存店の売上高が8.3%と高い伸びを見せたが、今上半期は1.0%の減少となったことが響いた。すなわち、非常に好調であった前年同期との比較では小幅減益となったが、コンビニ業界の中では断トツの収益力を維持している。ちなみに、今第2四半期の既存店売上高は同1.2%増となり、第1四半期の同2.5%減から回復している(17年8月11日のフィリピン証券取引所回覧05071-2017号などより)。

  フィリピンのセブン・イレブン店舗数(年末)とPSC年間純利益推移(単位:百万ペソ、17年は上半期のみ)
時期 06年 07年 08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年上半期
店舗数 287 311 368 447 551 689 829 1,009 1,282 1,602 1,995 2.087
純利益 20.1 54.8 84.3 155.8 276.9 356.3 465.2 682.6 873.3 1,008.3 1,175.5 446.4
 (出所:フィリピン・セブン資料などより作成)


 フィリピンの主な日系コンビニ店舗数(比セブンイレブンは直接的には台湾プレジデント・チェーン・ストアの傘下)
年・月 12年末 13年末 14年末 15年末 16年3月末 6月末 9月末 12月末 17年3月 6月 7月
セブンイレブン 829 1,009 1,282 1,602 1,655 1,740 1,840 1,995 2,031 2,087 N.A.
ミニストップ 337 386 454 519 518 513 501 499 493 491 490
ファミリーマート 0 31 87 120 104 102 101 99 81 72 72
ローソン 0 0 0 16 17 19 24 29 30 32 32
 (出所:各社資料より作成、ミニストップ、ファミリーマートは日本側発表数値、ローソンはサイト等からの推計値)