JTが比マイティを1千億円で買収、市場シェア25%超に

2017/08/23

   日本たばこ産業株式会社(JT)は、グループは、8月22日、フィリピンにおいてたばこ事業を展開するマイティ コーポレーション(MC社)のたばこ事業に係る資産を468億ペソ(約1,048 億円)で取得することについて合意し、これに係る契約を締結した。

 取得する資産には、MC社の保有する流通販売網、製造設備、製品在庫及び知的財産権が含まれている。本件は必要な手続きを経て、2017 年12 月期 第3 四半期に完了する予定である。

1.資産取得の理由
 MC社は、フィリピンたばこ市場の50%以上を占めるバリュー価格帯においてリーディングポジションを獲得しており、高いブランドエクイティを誇るMighty及びMarvels等のブランドを保持している。加えて、MC社はフィリピン全域にわたる確固たる流通販売網も強みとしており、世界第10位のフィリピンたばこ市場において第2位の市場シェア(23%)を有している。

 JTグループは長年に亘りフィリピンにおいて事業を展開しており、中価格帯に位置するWinston ブランドを中心に、主に都市部において市場シェアを伸長させてきた。本件を通じた流通販売地域の飛躍的な拡大及びブランドポートフォリオの強化等により、強固な事業基盤を確立し、力強い経済成長を続けるフィリピンにおいて25%以上の市場シェアを獲得することとなる。

 JTの岩井睦雄代表取締役副社長 たばこ事業本部長は「本件は、中長期に亘る持続的な成長に向けた地理的拡大の一環として本格進出を予定しているインドネシアに続く案件であり、東南アジア地域におけ事業基盤の更なる強化を図る上で大きな意義を持つ」とコメントしている。

2. 契約の概要
本件は次の2 契約により構成されている。
.(1)MC社のたばこ事業に係る資産を280億ペソ(約627億円)で取得する資産売買契約
.(2)MC 社及びWONG CHU KING HOLDINGS INC.(WCKH 社)等が保有するMC社のたばこ事業に係る知的財産権を188億・ペソ(約421 円)で取得する知的財産権譲渡契約
(注)上記の他に、本取引に係る付加価値税等として、58億ペソ(約130 億円)の支払いがある。

3.資産売買契約の概要
(1) 取得する資産の内容
. 流通販売網、たばこ事業に係る機械及び装置、完成品、半製品及び原材料の在庫
(2) MC 社のたばこ事業に係る経営成績(2016 年実績)
  税込売上高 188 億・ペソ(約421億円)、営業利益 6億ペソ(約13億円)
(3) MC 社のたばこ事業に係る資産、負債の項目及び金額(2016 年12月31日現在)
  流動資産119億ペソ(約267億円)、固定資産30億ペソ(約67億円)、合計148億ペソ(約332億円)

4.MC社概要
(1) 所在地:55 Mighty Road, Barangay Tikay, Malolos City, Bulacan,Philippines
(2) 代表者の役職・氏名 :Lt. Gen. Edilberto P. Adan, AFP, President
(3) 事業内容: たばこ製品の製造販売会社
(4) 資本金: 23億ペソ(約52億円)
(5) 設立年:1945 年
(6) 純資産: 23億ペソ(約52億円)
(7) 総資産 :148億ペソ(約332億円)
(
4. 知的財産権譲渡契約の概要
(1) 取得する資産の内容
 取得する知的財産権は、MC社及びWCKH 社等が保有するMC社のたばこ事業に係る商標権、関連知的財産権を含んでいる。取得する知的財産権は188ペソ(約421億円)。
17年8月22日の日本たばこ産業株式会社ニュースリリースより)。