JTのマイティ買収実現へ、競争委員会が承認

2017/08/30

   フィリピン競争委員会(PCC)は8月29日、JT(日本たばこ産業)グループの海外たばこ事業を担うJTI(日本たばこインターナショナル)及びJTIフィリピンズのマイティ社(MC)及びWong Chu King Holdings(WCKH社)の資産買収を承認した。

 JTグループは、8月22日、フィリピンにおいてたばこ事業を展開するマイティ コーポレーション(MC社)のたばこ事業に係る資産を468億ペソ(約1,048 億円)で取得することについて合意し、これに係る契約を締結した。取得する資産には、MC社の保有する流通販売網、製造設備、製品在庫及び知的財産権が含まれている。本件は必要な手続きを経て、2017年12月期 第3四半期に完了する予定である
 
 取得する資産には、MC社の保有する流通販売網、製造設備、製品在庫及び知的財産権が含まれている。フィリピンでは10億ペソ超のM&A案件は、フィリピン競争委員会(PCC)の承認が必要と規定されており、今回の468億ペソ規模の買収は当然PCCの承認が不可欠である。上記の様に、8月29日にPCCが承認したことで、JTによる買収が実現する。

 なお、MC社は、フィリピンたばこ市場の50%以上を占めるバリュー価格帯においてリーディングポジションを獲得しており、高いブランドエクイティを誇るMighty及びMarvels等のブランドを保持している。加えて、MC社はフィリピン全域にわたる確固たる流通販売網も強みとしており、世界第10位のフィリピンたばこ市場において第2位の市場シェア(23%)を有している。

 JTグループは長年に亘りフィリピンにおいて事業を展開しており、中価格帯に位置するWinston ブランドを中心に、主に都市部において市場シェアを伸長させてきた。本件を通じた流通販売地域の飛躍的な拡大及びブランドポートフォリオの強化等により、強固な事業基盤を確立し、力強い経済成長を続けるフィリピンにおいて25%以上の市場シェアを獲得することとなる。

<契約の概要>
本件は次の2 契約により構成されている。
.(1)MC社のたばこ事業に係る資産を280億ペソ(約627億円)で取得する資産売買契約
.(2)MC 社及びWONG CHU KING HOLDINGS INC.(WCKH 社)等が保有するMC社のたばこ事業に係る知的財産権を188億・ペソ(約421 円)で取得する知的財産権譲渡契約
(注)上記の他に、本取引に係る付加価値税等として、58億ペソ(約130 億円)の支払いがある。

<資産売買契約の概要>
(1) 取得する資産の内容
. 流通販売網、たばこ事業に係る機械及び装置、完成品、半製品及び原材料の在庫
(2) MC 社のたばこ事業に係る経営成績(2016 年実績)
  税込売上高 188 億・ペソ(約421億円)、営業利益 6億ペソ(約13億円)
(3) MC 社のたばこ事業に係る資産、負債の項目及び金額(2016 年12月31日現在)
  流動資産119億ペソ(約267億円)、固定資産30億ペソ(約67億円)、合計148億ペソ(約332億円)
17年8月30日のフィリピン競争委員会発表やこれまでのJT発表などより)。