8月の株価小幅反落、8カ月間では16%上昇に
サービス業32%上昇、不動産と金融が20%強上昇
2017/09/02
2017年8月のフィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)は、月間で0.74%の下落となった。
この結果、2017年8カ月間(1月~8月)のPSEiは16.34%の上昇となった。2016年後半に急落した後の値頃感による押し目買いの動きなどもあって、一時は8,000ポイント台を突破、終値ベースでの過去最高値(2015年4月10日の8,127.48ポイント)更新の期待が高まる場面もあった。しかし、米国の追加利上げ、ミンダナオ島での戒厳令継続やマラウイ市での政府軍と過激派組織との戦闘継続など上昇の抑制要因となっていることで、8,000ポイント台定着や過去最高値更新には至っていない。
8カ月間の大分類セクター別指数動向は、サービス株が32.10%上昇、不動産株が21.34%上昇、金融株が13.65%上昇、持株会社(ホールディング・カンパニー)株が12.10%上昇、鉱業・石油株(資源株)が11.77%の上昇、工業株が3.24%上昇となった。サービス株指数は、2016年に業績悪化で大幅下落した主力のPLDT株価が値頃感により急反発してきたことなどで、大幅上昇、セクター別上昇率トップとなっている。
フィリピン証券取引所指数の動き(年末値と月末価、17年8月31日終値)
(出所:フィリピン証券取引所やPDS資料より作成)
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
2017年8カ月間の1日当たり平均売買額は77億6,300万ペソとなり、2016年年間平均の約78億1,174万ペソを0.6%下回った。外人の売買額シェアは49%で、前年通年の51%を下回っている。外人は約268億5,000万ペソの買い越し。2017年第1四半期末時点では約185億ペソの売り越しであったが、4月以降買い越し基調となり、6月末段階では大幅な買い越しに転じている。
2017年8月末のPSE時価総額は前年末比15.0%増の16兆6,104億ペソ、そのうち、国内企業時価総額が同15.4%増の13兆7,019億ペソであった。なお、PSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は20.13倍であった(PSE取引記録などより)。
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成、株価収益率はPSE基準算出数値)
この結果、2017年8カ月間(1月~8月)のPSEiは16.34%の上昇となった。2016年後半に急落した後の値頃感による押し目買いの動きなどもあって、一時は8,000ポイント台を突破、終値ベースでの過去最高値(2015年4月10日の8,127.48ポイント)更新の期待が高まる場面もあった。しかし、米国の追加利上げ、ミンダナオ島での戒厳令継続やマラウイ市での政府軍と過激派組織との戦闘継続など上昇の抑制要因となっていることで、8,000ポイント台定着や過去最高値更新には至っていない。
8カ月間の大分類セクター別指数動向は、サービス株が32.10%上昇、不動産株が21.34%上昇、金融株が13.65%上昇、持株会社(ホールディング・カンパニー)株が12.10%上昇、鉱業・石油株(資源株)が11.77%の上昇、工業株が3.24%上昇となった。サービス株指数は、2016年に業績悪化で大幅下落した主力のPLDT株価が値頃感により急反発してきたことなどで、大幅上昇、セクター別上昇率トップとなっている。
フィリピン証券取引所指数の動き(年末値と月末価、17年8月31日終値)
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2008年 | 1,872.85ポイント | -48.29% |
2009年 | 3,052.68ポイント | 63.00% |
2010年 | 4,201.14ポイント | 37.62% |
2011年 | 4,371.96ポイント | 4.07% |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% |
2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% |
2014年 | 7,230.57ポイント | 22.76% |
2015年 | 6,952.08ポイント | -3.85% |
2016年 | 6,840.64ポイント | -1.60% |
2017年1月末 | 7,229.66ポイント | 5.68% |
2月末 | 7,212.09ポイント | -0.24% |
3月末 | 7,311.72ポイント | 1.38% |
4月末 | 7,661.01ポイント | 4.78% |
5月末 | 7,837.12ポイント | 2.30% |
6月末 | 7,843.16ポイント | 0.08% |
7月末 | 8,018.05ポイント | 2.23% |
8月末 | 7,958.57ポイント | -0.74% |
8カ月間 | - | 16.34% |
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 | 14年の上昇率 | 15年の上昇率 | 16年の上昇率 | 17年8月末終値 | 17年8カ月間上昇率 |
フィリピン証券取引所指数 | 22.76% | -3.85% | -1.60% | 7,958.57 | 16.34% |
全株指数 | 17.99% | -6.43% | 4.15% | 4,723.27 | 13.65% |
金融株指数 | 18.78% | -8.58% | 6.76% | 1,988.64 | 20.12% |
工業株指数 | 37.89% | -7.94% | -3.45% | 10,995.17 | 3.24% |
持株会社株指数 | 16.03% | 4.78% | 5.92% | 7,838.11 | 12.10% |
不動産株指数 | 27.42% | 3.75% | 5.17% | 3,720.80 | 21.34% |
サービス業株指数 | 13.94% | -28.03% | -14.86% | 1,721.09 | 32.10% |
鉱業・石油株指数 | 32.70% | -34.07% | 13.72% | 13,253.94 | 11.77% |
2017年8カ月間の1日当たり平均売買額は77億6,300万ペソとなり、2016年年間平均の約78億1,174万ペソを0.6%下回った。外人の売買額シェアは49%で、前年通年の51%を下回っている。外人は約268億5,000万ペソの買い越し。2017年第1四半期末時点では約185億ペソの売り越しであったが、4月以降買い越し基調となり、6月末段階では大幅な買い越しに転じている。
2017年8月末のPSE時価総額は前年末比15.0%増の16兆6,104億ペソ、そのうち、国内企業時価総額が同15.4%増の13兆7,019億ペソであった。なお、PSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は20.13倍であった(PSE取引記録などより)。
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
項目 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 17年8月末 |
フィリピン証券取引所指数 | 4,371.96 | 5,812.73 | 5,889.83 | 7,230.57 | 6,952.08 | 6,840.64 | 7,958.57 |
年末時価総額(億ペソ) | 86,970 | 109,301 | 119,313 | 142,517 | 134,651 | 144,388 | 166,104 |
国内企業時価総額 | 72,390 | 94,163 | 96,452 | 117,128 | 111,878 | 118,732 | 137,019 |
外国企業時価総額 | 14,580 | 15,138 | 22,861 | 25,389 | 22,773 | 25,656 | 29,085 |
1日平均売買額(億ペソ) | 57.1 | 72.6 | 105.2 | 88.0 | 89.6 | 78.1 | 77.6 |
外人の売買額シェア | 37.8% | 45% | 51% | 49% | 48% | 51% | 49% |
外人買越額(億ペソ) | 565.2 | 1,099.8 | 155.9 | 557.2 | -597.1 | 21.6 | 268.5 |
PER(株価収益率) | 16.57倍 | 17.97倍 | 17.79倍 | 20.13倍 | 19.48倍 | 17.90倍 | 20.13倍 |