8月の新車販売、8.7%増の3万5,309台(工業会)に

8カ月間で17%増の26万8千台、今後税制改正焦点に

2017/09/17

フィリピン自動車工業会(CAMPI)が、2017年8月の新車販売動向を発表した。

 それによると、 2017年8月のフィリピン国内四輪車新車販売台数 (CAMPIとトラック工業会加盟企業分:以下工業会加盟企業分と記す)は、前年同月比8.7%増の3万5,309台となった。月間記録第2位となった前月(7月)の3万6,951台からは4.4%の小幅減少となったものの、例年ビジネスが低調となるゴーストマンス(鬼月)としては高水準であったといえる。
 
 7月11日に、フィリピン運輸省・陸運事業許認可規制委員会(LTFRB)が配車サービスを展開するウーバーやグラブに対してドライバーの新規契約や車両増加の一時停止命令を発出するという新車販売抑制要因が発生する中で健闘したともいえる。また、2016年8月は前年同月比40%増と急増しており、それとの比較において、新車販売抑制要因発生のなかで、更に8.7%増加したことは注目に値する。
 
 2017年8カ月間(1月~8月)の新車総販売台数(工業会加盟企業分)は、前年同期比16.7%増の26万8,424台に達した。車種別では、商用車が同22.3%増の17万7,285台(構成比66%)と好調、そのなかの主力の小型商用車(LCV)は同19.4%増の11万2,827台であった。一方、乗用車は同7.3%増の9万1,139台(構成比34%)と堅調に推移している。

 8カ月間のメーカー別販売台数シェア首位は、トヨタモーター・フィリピンの44.1%で断トツであった。以下、第2位が三菱モータース・フィリピンの17.68%、第3位がフォード・モータース・フィリピンの8.51%、第4位がいすゞフィリピンの6.84%、第5位がホンダカーズ・フィリピンの6.71%と続く。

 上記の販売台数、前年同期比、シェアなどは、工業会加盟企業ベースの数値であり、CAMPIを脱退している韓国系の現代アジア・リソース(HARI)分などを含まないベースである。ちなみに、HARIの8月の販売台数は前年同月比17%増の3,273台、8カ月間では前年同期比9%増の2万4,233台であった。
 

 なお、2016年のフィリピン国内四輪車新車販売台数(工業会加盟企業分)は、前年比24.6%増の35万9,572台に達し、5年連続での過去最高記録更新となった。2017年8カ月経過時点では、好調であった2016年を更に約16.7%上回るペースとなっている。今後は自動車税増税などが懸念されるが、現時点では増税案は最終決定されておらず、2017年は6年連続の年間最高記録更新が期待できる状況にある。