近畿大学で比技術者などが原子炉運転実習

文部科学省事業「原子力技術セミナー」の一環

2017/09/22

    近畿大学(大阪府東大阪市)は、9月26日(火)に、海外の技術者(10人)を対象とした原子炉運転実習を実施する。

 これはアジアをはじめとした世界の原子力の安全技術と人材育成に貢献することを目的とした文部科学省事業「放射線利用技術等国際交流(講師育成)」における「原子力技術セミナー」の「原子力プラント安全コース」の一環で、公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター(福井県敦賀市)が実施しているものである。

 近畿大学原子炉は、国内のみならず、海外からの研修生を対象とした実習を行ってきたが、2013年12月18日に試験研究用原子炉の新規制基準が施行されたことを受け、2014年2月6日に運転停止。以降、こうした実習は止まっていた。今回、2017年4月12日、3年ぶりに研究・教育利用を再開して以来、海外の技術者を対象とした原子炉運転実習は運転再開後初めてであり、世界の原子力の安全技術と人材育成に貢献するものと期待される。研修実施要領は以下のとおり。

・日時:2017年9月26日(火)
・会場:近畿大学東大阪キャンパス 原子力研究所(大阪府東大阪市小若江3-4-1)
・参加者国籍:フィリピン、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、スリランカ、モンゴル、バングラデシュ(計10人)

・主なスケジュール】
 9 :00?~9 :50 【講義】スケジュール説明・保安教育
 9 :50~10:30  原子炉見学
 10:30~13:00 【実習】原子炉運転
 14:00~16:00 【実習】中性子ラジオグラフィ

<近畿大学原子力研究所>
 近畿大学原子力研究所は、1960年4月1日、原子力に関する研究・教育を目的とする全学共同利用研究所として設立された。近畿大学原子炉は、同年8月12日に設置が認可され、1961年11月11日に臨界に到達し(熱出力0.1W)、日本最初の民間原子炉・大学原子炉として運転を開始した。
 その後、1974年10月に熱出力を1Wに増加し、1984年1月には小動物用照射設備、中性子ラジオグラフィ用設備および拡大垂直照射設備が新設された。近畿大学理工学部の学生実習および大阪大学、神戸大学、名古屋大学、九州大学などの学生の原子炉教育・訓練ならびに広範な分野の原子力研究に利用されている(17年9月21日の近畿大学ニュースリリースより)。