三越伊勢丹、ASEAN発高品質チョコレートを育成

フィリピンなど4カ国産カカオと日本の高技術のコラボ

2017/09/28

   三越伊勢丹がプロデュースするアジア発アジアの人の為の高品質チョコレートブランド 〈NAYUTA CHOCOLATASIA(ナユタ チョコラタジア、以下、NAYUTA)〉のカフェ&ショップが10月に開店1周年を迎える クアラルンプール・マレーシアのISETAN The Japan Store Kuala Lumpurのグランドフロアに、 10月20日(金)に世界初オープンする。 

 NAYUTAは、高品質かつ産地・作り手の明確な主にアジアのカカオ豆を使用し、日本のショコラティエの技術で日本人を含むアジア人の嗜好に合わせて商品開発をしたチョコレートである。優れた機能と効率性、高い衛生基準を備えた日本水準の工房をマレーシアの工房に取り入れ、マレーシアで製造を行う、新しいコンセプトの高品質 “bean to bar to bonbon chocolat”ブランド(カカオ豆からタブレットチョコレート、更にはボンボンショコラ{粒チョコレート}までを一貫して製造されたチョコレート)である。三越伊勢丹の洋菓子バイヤーが、「アジアのカカオを使用したアジアの人の嗜好に合う、アジアの人にとって”本当においしい”、それも”手ごろな価格”のチョコレートブランドを開発したい」という熱い想いを込めてプロデュースした。

 ブランド名NAYUTAは、サンスクリット語では「無限(極めて大きな数量)」を意味し、日本語では数の単位(「那由他」)で、アジアの無限の可能性を表している。CHOCOLATASIAはチョコレートとアジアを掛け合わせた造語である。日本での展開は、2018年を予定している。

<チーム NAYUTA CHOCOLATASIA>
・商品開発・技術指導:ショコラティエ 三枝俊介氏(パレドオール)
 パレドオール(東京丸の内・青山・銀座・梅田等)グランシェフ。多くのチョコレート・菓子に関するキャリアを経て、現在は本格的なbean to bar工房を清里に構え、様々なカカオ豆を自在に操り、ボンボンショコラやチョコレート菓子に至るまで、ハイレベルで繊細なクリエイションを生み出している。工房の環境づくりからショコラのレシピ開発・人材育成・製造に至るまで幅広く担当した。
・製造:Nayuta Chocolatasia Sdn Bhd
 この度、マレーシアの老舗チョコレートメーカーが、新たに高品質bean to bar(カカオ豆からタブレット チョコレートを一貫して製造する)ショコラ工房を立ち上げ、日本技術を受け継ぎ高品質チョコレートを製造する。
・デザイン:Lisette Scheers(L.Inc)(リセッタ シアーズ)
 アジア及びヨーロッパのデザイン要素のミックスに長けたクアラルンプール在住のオランダ人デザイナー。自身のブランド〈nala designs〉はマレーシア国内のみならず、フランスのパリでも好評を博している。
・カカオ豆調達:立花商店
 世界中を渡り歩き、希少な豆から一般消費の豆までありとあらゆるカカオ豆を手掛けるカカオ専門商社。高品質なカカオが少ないアジアの産地の中でフィリピン、ベトナム、インドネシアにて丁寧にカカオ生産に取組む生産者を見つけ出し開発した。
・プロデュース:三越伊勢丹
 日本におけるチョコレートブームの一つのきっかけとなったサロン・デュ・ショコラを2003年に開催し続けて15年。その間に蓄積した高品質チョコレートのマーケティングや知見をNAYUTAのブランディングに生かし、コンセプトや事業計画を立案した。

<ブランド設立の背景>
・ASEANにおける高品質カカオの萌芽期
 ASEAN諸国は赤道南北20度以内といわれるカカオベルトに位置しながらも、大規模なカカオ生産は行われていなかったが、近年様々な企業や団体が少量ながらも高品質なカカオ生産を開始しており、アジアにおける地産地消のチョコレート開発が実現可能な時期となった。世界的な認知度の低いアジアのカカオやチョコレートブランドの可能性を周知させることで、国際的認知度の向上及びイメージアップに貢献する。
・ASEANにおける高品質チョコレートブランドの少なさ
 経済発展目覚ましいASEANの都市において、高級レストラン等に比して高品質チョコレートブランドショップが非常に少なく、グルマン(食いしん坊)たちの潜在的な需要が大きい可能性があると感じていた。
・ヨーロッパではなく、アジアの人の嗜好に合わせたチョコレート開発
 世界的なチョコレートブランドのチョコレートは、日本を含め、基本的に味わいのベースがヨーロッパ(特にフランス)の人の嗜好に合わせて開発されており、苦みや濃厚さ・複雑さといった特徴がトレンドになっている。一方で、日本人を含めたアジアの人が本来嗜好する“ミルキー”“キャラメル”“柔らかさ”等の要素を全面に出したブランドが少ないのが現状である。
・日本における“おやつ消費”が可能な高品質チョコレートブランドの少なさ
 日本のチョコレート市場では、高品質チョコレートは価格が高い高級チョコレートがほとんどで、デイリーなおやつ感覚で楽しめる手ごろな価格の高品質チョコレートが少ないのが現状である。日本で販売されている、多くの高品質チョコレートのカカオはアフリカや中南米のカカオが主に使用されており、チョコレートにおけるフードマイレージが非常に大きくなってしまっている。NAYUTAは、カカオ豆の生産地近くで商品を製造、そして販売することで、手頃な価格帯のチョコレート開発を実現する。

<NAYUTA 商品 (一例)>
・タブレット (約16種類)
 アジア4か国(フィリピン・マレーシア・ベトナム・インドネシア)のカカオ豆をメインに使用し、それぞれの強みが色濃く反映されたオリジナリティのあるタブレットチョコレート。70%ビター、60%ミルクに加えて、ミルキーな味わいを好む日本人を含むアジア人の嗜好を意識した40%ミルク+(プラス)を企画。プレーンの他、マンゴーやココナッツ、カシューナッツ等のオリエンタルなタブレットもラインナップ。
・ボンボンショコラ(約20種類)
パッションフルーツやパイナップル等のアジアを代表するトロピカルフルーツをふんだんに使用したエキゾティックな味や、抹茶・さくら・柚子といった日本フレーバーなど、ゆかりのある地域の味わいをわずか約8gのチョコレートで表現。冷蔵庫から出したばかりの冷たい状態でも、すぐに口の中で香りの広がる新しい手法によるチョコレート。

<NAYUTA CHOCOLATASIA 店舗データ>
オープン日 2017年10月20日
正式名称 NAYUTA CHOCOLATASIA
運営会社 Nayuta Chocolatasia Sdn Bhd
場所 ISETAN The Japan Store Kuala Lumpur Ground Floor
営業時間 11:00~21:00
座席数   35席
facebook URL https://www.facebook.com/nayuta-chocolatasia/
17年9月27日の三越伊勢丹ホールディングスのニュースリリースより)。