カジノ「オカダマニラ」運営企業、IPO・上場を検討

ユニバ—サル、岡田和生氏の裏口上場模索には非関知

2017/10/18

     このほどフィリピンの有力日刊紙であるデイリー・インクワイアラー紙が、「ユニバーサルエンターテインメント創業者である岡田和生氏が、フィリピンの大型カジノリゾートである「オカダマニラ」を買収し、現地上場企業を活用した裏口上場(バックドア・リスティング)を検討している」と報じた。

 さらに、「岡田和生氏は、裏口上場に活用する候補企業として3社の現地上場企業として接触している。その一つが、ブライトキンドルリソース&インベストメンツ(BKR)である」と報道した。BKR自身は岡田和生氏との接触を否定したが、このところ株価が急騰している。一方、岡田和生氏は、2017年に入り、ユニバーサルエンターテインメント、その子会社であるオカダマニラ(運営子会社はタイガーリゾーツレジャー&エンターテインメント(タイガーリゾーツL&E)の取締役および役職を剥奪された経緯があり、フィリピン事業再取得などを狙っていると見られている。。

 このような状況の中、オカダマニラを所有するユニバーサル・エンターテインメント社(UE社)は、上記の報道に関して、10月17日、「デイリー・インクワイアラー紙にて、岡田和生元取締役会長が、フィリピンの上場企業の経営権を取得し、そこに、オカダマニラを買収させる計画であるとの報道があったが、同氏によるそのような動きについては、全く関知していない」と発表した。

 UE社によると、オカダマニラは、ユニバーサル・エンターテインメント社が間接的に99.9%の株式を保有する連結子会社、タイガー・リゾートL&Eによって運営されている。岡田和生元取締役会長は、2017616日、タイガー・リゾートL&Eの取締役を、また、同629日に、ユニバーサル・エンターテインメント社の取締役をそれぞれ退任している。

 UE社は、「現在、タイガー・リゾートL&EのIPO上場に際しての新規公募)については、企画検討中であり、方針が明確になり具体化した際には、速やかに開示する」とも発表した。(17年10月17日のユニバーサル・エンターテインメント社発表より)。

 なお、裏口上場とは、一般的には、早期上場を目指す非上場企業が、実体に乏しいような上場企業を買収、その上場企業を存続会社とする合併を行うことで、通常の上場過程を踏まないで実質的に上場することを意味する。フィリピンでは、これまで裏口上場が活発に行われてきている。
 
 「オカダマニラ」と同じマ二ラ湾岸沿いの「マニラベイ・エンターテインメントシティー」に立地する大型カジノリゾート「ソレア・リゾート&カジノ(ソレア)」運営企業の「ブルームベリー・リゾーツ(ブルームベリー)」、同
「シティ・オブ・ドリームス マニラ(CDM)」」を運営するメルコ・リゾーツ&エンターテインメント・フィリピン(MRP)ともに、いわゆる裏口上場企業である(17年10月17日のユニバーサル・エンターテインメント社発表より)。