RCBC買収報道、関連銀行全てが否定

2017/10/30

このところ、ユーチェンコ財閥の有力銀行リサール商業銀行(RCBC)買収観測が台頭、買収憶測報道が何回か行われている。

 RCBCは1株当たり純資産が44.38ペソ(2016年末)と高水準である一方、昨年に不正送金事件に巻き込まれたことなどから、買収の標的になっているとの観測が根強い。10月27日にも、フィリピン・デイリー・インクワイアラー紙電子版が、「中央銀行(BSP)はRCBCの株主変更を望んでいるようであり、BDOユニバンク(BDO)やバンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズ(BPI)がRCBCの買収に動いている」と報じた。

 この報道の是非を問うフィリピン証券取引所(PSE)に対し、RCBCは27日、「RCBCはマジョリティーを譲渡するような交渉や合併交渉は全く行っていない。中央銀行からも、RCBCの株主交代を望むようなコメントは一切聞いていない」と回答した。

 BDOやBPIも「事業基盤拡充の機会は常に模索しているが、RCBC買収交渉を行っている事実はない」と報道を否定した。なお、5月にもフィリピンスター紙が、「SMグループの有力銀行チャイナ・バンキング・コーポレーション(チャイナバンク、中国のチャイナバンクとは異なる)が、リサール商業銀行(RCBC)を買収する意向であり、既に買収交渉が行われている」と報じた。


 この報道の真偽を問うフィリピン証券取引所(PSE)に対し、チャイナバンクは「チャイナバンク経営陣は、RCBCとの交渉を全く承知していない」と回答した。RCBCも「マジョリティーを譲渡するような交渉や合併交渉は全く行っていない」と回答している(17年10月27日のフィリピン証券取引所回覧06392-2017号などより)。