10月株価2.4%上昇、最高値更新後に利食いの動き

10カ月間では22%上昇、サービスや不動産株が牽引

2017/11/01

2017年10月のフィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)は、月間で2.37%の上昇となった。10月は、米国など主要株式市場の強い動き、ミンダナオ島マラウイ市におけるIS支持武装勢力の鎮圧が進み、「テロリストからの解放宣言」が発出されるに至ったことなどを背景に続伸基調となり、17日には終値ベースでの史上最高値8497.74ポイント、ザラ場(取引時間中)瞬間高値ベースでの史上最高値8,586.73ポイントを記録した。その後は、利益確定の動きも活発となり、月末にかけては若干軟化したが、月間ベースでは2カ月連続で2%超の上昇となった。

 これらの結果、2017年10カ月間(1月~10月)のPSEiは22.29%の上昇となった。10カ月間の大分類セクター別指数動向は、サービス株が31.11%上昇、不動産株が28.67%上昇、持株会社(ホールディング・カンパニー)株が22.68%上昇、金融株が20.87%上昇、鉱業・石油株(資源株)が11.53%の上昇、工業株が2.45%上昇となった。サービス株指数は、2016年に業績悪化で大幅下落した主力のPLDT株価が値頃感により急反発してきたこともあって、大幅上昇、セクター別上昇率トップとなっている。

 個別では、アヤラグループのエレクトロニクス企業インテグレイティド・マイクロエレクトロニクス(IMI)の191%急騰(2.9倍)が目立つ。IMIは、世界の株式市場で大きなテーマとなっている電動車(EV)、自動走行車関連銘柄として注目度が高まっている。


フィリピン証券取引所指数の動き(年末値と月末価、17年10月30日終値)
時期 年末・月末値 上昇率
2008年 1,872.85ポイント -48.29%
2009年 3,052.68ポイント 63.00%
2010年 4,201.14ポイント 37.62%
2011年 4,371.96ポイント 4.07%
2012年 5,812.73ポイント 32.95%
2013年 5,889.83ポイント 1.33%
2014年 7,230.57ポイント 22.76%
2015年 6,952.08ポイント -3.85%
2016年 6,840.64ポイント -1.60%
 
2017年   1月末 7,229.66ポイント 5.68%
2月末 7,212.09ポイント -0.24%
3月末 7,311.72ポイント 1.38%
4月末 7,661.01ポイント 4.78%
5月末 7,837.12ポイント 2.30%
6月末 7,843.16ポイント 0.08%
7月末 8,018.05ポイント 2.23%
8月末 7,958.57ポイント -0.74%
9月末 8,171.43ポイント 2.67%
10月末 8,365.26ポイント 2.37%
 
10カ月間 - 22.29%
 (出所:フィリピン証券取引所やPDS資料より作成)


フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 14年の上昇率 15年の上昇率 16年の上昇率 17年10月末終値 17年10カ月間上昇率
フィリピン証券取引所指数 22.76% -3.85% -1.60% 8,365.26 22.29%
全株指数 17.99% -6.43% 4.15% 4,891.93 17.71%
  金融株指数 18.78% -8.58% 6.76% 2,001.06 20.87%
  工業株指数 37.89% -7.94% -3.45% 10,910.84 2.45%
  持株会社株指数 16.03% 4.78% 5.92% 8,577.89 22.68%
  不動産株指数 27.42% 3.75% 5.17% 3,945.48 28.67%
  サービス業株指数 13.94% -28.03% -14.86% 1,708.18 31.11%
  鉱業・石油株指数 32.70% -34.07% 13.72% 13,224.48 11.53%
 (出所:フィリピン証券取引所資料より作成)