NTTの比ITC事業強化進展、拠点のDTSIが20周年

2017/12/11

NTTコミュニケーションズ(NTTコム)のフィリピンにおけるIT事業基盤強化が進展している。 NTTコムは、2009年10月にNTTコム・フィリピンを設立し、フィリピンにおいて日系企業をはじめとした多国籍企業に対してICTソリューションサービスを提供してきた。そして、2012年5月に、フィリピンのBPO事業者向けシステム構築およびプラットフォームサービスを提供してきた「ダイバーシファイド・テクノロジー・ソリューションズ・インターナショナル」(DTSI、本社:マニラ首都圏マカティ市)にマジョリティ資本参加、フィリピンにおけるコンタクトセンターソリューション提供能力も強化した。

 NTTコムは2013年2月より、 NTTコム・フィリピンの全事業をDTSIに移管、サービス提供体制を強化した。これ以降、フィリピンにおけるNTTコムのICTソリューションサービスはDTSIより一元的に提供されることとなった。

 この時点でDTSIは既に、フィリピンのコンタクトセンター総座席数の約6割を構築するなど、BPO事業者向けのシステム構築に多くの実績を有していた。近年フィリピンは堅調な経済発展を遂げており、多国籍企業の進出も加速していることから、このようなフィリピンで実績のあるDTSIに、NTTコム・フィリピンの企業向け通信システムの構築や各種通信サービスなどのICTソリューションサービスの事業を移管し、更なる事業拡大を図ることとしたのである。DTSIのノウハウを活用し、システム・インテグレーションやセキュリティなどを組み合わせたより品質の高いICTソリューションサービスを提供する体制が構築されたのである。

 DTSIの設立は1997年、このほど20周年を迎え、12月5日にマカティ市に20周年記念セレモニーが開催された。このセレモニーにおいては、著名エコノミストであるベル二エ・ヴィレガス博士の基調演説、NTTコムの前田隆伸取締役グローバル事業推進部長の祝福スピーチ、DTSIのミグエル・ガルシア社長兼CEOの謝恩スピーチなどが行われ、盛大なイベントとなった。

 DTSIは、マカティ市スエリグ・ビル12階の本社のほか、セブ、米国(フェニックス、ロサンゼルス、ソルトレイクシティ、シカゴ)などに拠点を有している。グループ全体の従業員数は約400名以上、顧客数は1,000社以上。フィリピンのコールセンターの60%に相当する60万席以上のシステム構築、80万平米超の施設構築などの実績を有する。

 なお、NTTコムは、2017 年5月にシンガポールで開催されたAsia Communication Awards 2017(ACA2017)において、「Operator of the Year」、「Wholesale Operator of the Year」、「The Connected Asia Award」の3部門を受賞した。ACA2017は、有力な情報通信業界のメディア会社であるTotal Telecom社が主催している、アジアで活躍する全世界のキャリアやベンダーを対象とする賞である。同社により選出された情報通信分野の専門家が、新技術の活用、業績、新サービスなどを評価し、18部門での受賞企業を決定する。

 「Operator of the Year」は、通信事業者として最も総合力の高い事業者に贈られる賞である。NTTコムの幅広いサービスポートフォリオ、ネットワークやデータセンターサービス開発に向けた投資能力、高い顧客満足度の維持などが高く評価された。

 「Wholesale Operator of the Year」は、通信業界のホールセールビジネスにおいて最も革新的な企業に与えられるものであり、NTT コムにとって4度目の受賞となった。NTTコムは大容量光海底ケーブル「Asia Pacific Gateway」を2016年10月より運用開始、新たなケーブル敷設船「きずな」を2017年3月に竣工するなど、アジア域内の保有ケーブル容量の増加と、アジア各国への接続性の強化に努める一方で、その高品質な「グローバルIPネットワーク」が高い顧客満足度を維持している点を高く評価され、受賞に至った。

 NTTコムは法人向けのクラウドサービス「Enterprise Cloud」やデータセンターサービス「Nexcenter」についても、フィリピン最大の通信企業PLDTといった通信事業者などへの卸提供を拡大しており、今後も世界中の顧客から選ばれるGlobal ICT Partnerとなることを目指し、ICTインフラやサービスの強化・拡充を推進していく方針である。