フィッチ、フィリピン格付をBBBに引き上げ

ムーディーズやS&Pと同じステータスに

2017/12/12

    国家経済開発庁(NEDA)は、欧州系の国際的格付機関フィッチ・レーティングス(フィッチ)がフィリピンの格付を引き上げたことに対して、「フィリピンの堅調な経済パフォーマンスと投資家の信認を反映したものである」と歓迎した。

 フィッチは、12月10日、フィリピン共和国(フィリピン)の外貨建ておよび自国通貨建て長期発行体デフォルト格付(IDR)、外貨建ておよび自国通貨建て無担保優先債券の格付を「トリプルBマイナス」(BBB- )からトリプルB(BBB)に引き上げた。一方、カントリー・シーリングも「トリプルBプラス(BBB+)」へ、ペソ建て短期IDRも「F2」へと各々一段階引き上げられた。格付見通し(アウトルック)は安定的とされた。

 信用格付尺度「BBB」は、投資適格最低基準である「BBB- 」を一段階上回るステータスであり、「信用リスクが現在は低いと予想していることを示す。金銭債務の履行能力は概ね十分にあると考えられるが、経営又は経済環境の悪化がこの能力を損なう可能性は高い」を意味している。

 ペルニアNEDA長官は、このフィリピン格付引き上げが、「フィリピン開発計画2017-2022」に盛り込まれている必要な政策改革、計画、事業を実施するうえで、政府を迅速かつ効率的に働かせてくれるとの見方を示した。政府が力を入れているインフラ整備事業「Build, Build, Build」計画は、2022年までにインフラ関連支出をGDP(国内総生産)の7.4%にまで引き上げるという政府目標に沿って公共建設投資を拡大させると期待される。

 なお、世界三大格付機関のなかで、米国系のスタンダード&プアーズ(S&P)は、2014年5月に、フィリピン格付を「BBB- 」から「BBB」へと引き上げ、投資適格最低基準である「BBB- 」を一段階上回るステータスとした。同じく米国系のムーディーズ・インベスターズ・サービス (ムーディーズ)も、2014年12月に、フィリピン格付を一段階引き上げ、投資適格最低基準よりも一段階上の「Baa2」とした。「Baa2」は他の格付機関の「BBB」と同格である。
 
 一方、日本格付研究所(JCR)は2015年7月に、フィリピン格付をそれまでの「BBB」から「BBB+」へと引き上げた。格付見通し(アウトルック)は安定的とされた。「BBB+」は投資適格最低基準の2段階上であり、欧米系よりも高い評価となっている。また、A格付が視野に入ったともいえる。

 これまで、フィッチのフィリピン格付はムーディーズやS&Pより一段階下、日本格付研究所より2段階下というやや厳しい評価となっていた。フィリピン政府関係者は、フィッチの格付が早期に一段階引き上げられムーディーズやS&Pと並ぶことを熱望してきたが、今回の引き上げにより、ムーディーズ、S&P、フィッチという世界3大格付機関のフィリピン格付が「BBB」ステータスで一致したことになる(17年12月10日のフィッチ・レーティングスのニュースリリースなどより)