2016年の比ビール消費量6%増加、世界25位に

高成長や選挙特需背景に前年27位から上昇

2017/12/22

キリンビール大学レポート、日本10年連続7位


キリン(社長 磯崎功典氏)は、インターネット上の仮想大学「キリンビール大学」(http://www.kirin.co.jp/entertainment/daigaku/)を運営している。

 これは、ビールの楽しさ・奥深さを消費者に伝えるために2001年7月に開講したもので、美味しいビールの飲み方から、ビールに関する興味深いうんちくまで様々な学部・施設で400以上の豊富な講義提供、パソコンでもスマホでも、365日24時間好きな時に好きなだけ、ビールについて学習できる。

 今回は、世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき計170の世界主要国および各地域において、2016年のビール消費量をまとめた。この調査は1975年分から統計を開始している。

 2016年の世界の総消費量は、約1億8,689万kl(前年比0.6%減)で前年に続きマイナスとなったが、東京ドームをジョッキに見立てると、約151杯分に相当する。中国(前年比3.4%減)が14年連続で1位となったものの大幅減。この影響で、世界の総消費量もマイナス着地となった。2位のアメリカ(前年比0.6%増)は、2年ぶりにプラスに転じた。以下、3位ブラジル、4位ドイツ、5位ロシア、6位メキシコ、7位日本、8位英国、9位ベトナム、10位スペインと続く。日本(前年比2.4%減)は10年連続で7位となった。増加率では、上位25カ国のうちインド(前年比9.9%増)が最大となった。

 地域別では、アジア(前年比1.6%減)の構成比が33.9%となり、9年連続で1位。アフリカ(前年比2.6%増)は、6年連続で増加。9年連続トップのアジアは、インド(前年比9.9%増)、ベトナム(前年比7.4%増)、フィリピン(前年比6.0%増、韓国(前年比1.0%増)が増加しましたが、中国(前年比3.4%減)の影響で減少した。

 国別一人当たりビール消費量は、チェコ共和国が143.3リットルで24年連続で1位となった。上位35カ国のうち、前年より消費量の伸びた国は17カ国であった。日本は41.4リットルで54位、大びん換算で約65.4本(前年比1.4本減)という結果であった。

 なお、フィリピンについては、2016年5月に行われた統一選挙に伴う消費拡大(選挙特需)や、経済の成長、失業率の低下がビール消費量の拡大を後押ししたことで、前年比6.0%増の162万キロリットルに達し、世界25位となり、2016年の27位から2ランク上昇した。

 手許の過去データによると、フィリピンは、1990年代は消費量上位25カ国常連であり、20位台前半まで上昇する時期もあった。2000年代に入ると順位が低下傾向となり、2008年に国別消費量第25位にランクされたのを最後に2015年まで25カ国番付圏外が続いてきたが、2016年は久々に25カ国番付にランクインした(17年12月21日のキリン株式会社ニュースリリースなどより)。