ペソ対米ドルレート、2017年年間で0.42%下落

5年連続下落、10月には11年ぶりのペソ安水準に

2018/01/01

PDS(フィ リピン・ディーリング・システム)におけるペソ対米ドルレートは、2017年12月末値(12月29日終値)が1米ドル=49.930ぺソとなり、前月末から0.68%上昇したが、2016年12月末(49.720ペソ)からは0.42%下落。すなわち、2017年の1年間で0.42%のペソ安となった。

 2017年は、米国の総じて好調な経済指標や利上げの動き、ミンダナオ島全域での戒厳令、マラウイ市での政府軍とイスラム過激派武装集団との戦闘、朝鮮半島緊迫化懸念、経常収支の赤字転落(上半期)などを背景に、基調としてはドル高ペソ安の動きが続いた。そして、10月25日には、11年3カ月ぶりのペソ安水準となる51.770ペソまで下落した。

 その後は、フィリピンGDP高成長(第3四半期6.9%)発表、ドゥテルテ大統領による「マラウイ市テロリストからの解放宣言」、朝鮮半津に関する懸念緩和、海外就労フィリピン人(OFW)からの送金拡大シーズン入りなどで、ペソが反発傾向に転じたが、10月までの下落を埋めきるには至らず、年間ベースでは5年連続でのペソ下落となった。



ペソ対米ドルレートの動き(年末値、2017年12月29日終値)
時期 年末・月末値 上昇率
2004年 56.280ペソ -1.39%
2005年 53.090ペソ 6.01%
2006年 49.030ペソ 8.28%
2007年 41.280ペソ 18.77%
2008年 47.520ペソ -13.13%
2009年 46.200ペソ 2.86%
2010年 43.840ペソ 5.38%
2011年 43.840ペソ 0.00%
2012年 41.050ペソ 6.80%
2013年 44.395ペソ -7.53%
2014年 44.720ペソ -0.73%
2015年 47.060ペソ -4.97%
2016年 49.720ペソ -5.35%
 
2017年  1月末 49.770ペソ -0.10%
2月末 50.210ペソ -0.88%
3月末 50.160ペソ 0.10%
4月末 49.950ペソ 0.42%
5月末 49.765ペソ 0.37%
6月末 50.470ペソ -1.40%
7月末 50.460ペソ 0.02%
8月末 51.170ペソ -1.39%
9月末 50.815ペソ 0.70%
10月末 51.610ペソ -1.54%
11月末 50.270ペソ 2.67%
12月末 49.930ペソ 0.68%
 
12カ月間 - -0.42%
 (出所:フィ リピン・ディーリング・システム資料より作成)