海運チェルシー、日本建造船舶を継続導入
警固屋船渠(呉市)にも貨客船を発注
2018/01/23
昨年8月にフィリピン証券取引所(PSE)へ新規上場した海運企業のチェルシー・ロジスティクス(チェルシー)が、M&Aなどを通じて急ピッチで事業基盤を拡充しつつある。
その一環として、昨夏、スターライト・フェリーズ(スターライト)やその子会社の株式100%を取得。この買収により、チェルシーの運航船舶は一段と増加した。チェルシーはそれまで、11隻のタンカー、8隻のタグボート、7隻のRO-RO船、4隻のバージ、11隻の貨物船などを所有していた(3月に28.15%間接出資し経営権を取得したロジステクス企業「2GOグループ」保有分も含む)。一方、スターライトは14隻のフェリーやRO-RO船を所有している。このうちの5隻は、日本から調達した新造船である。また、子会社のフォーティス・タグ社は、先頃、日本建造のタグボートを取得している。
さらにチェルシーは、さらに、11月8日には、ロジスティクス企業「ワークリンク サービス(WSI)の株式100%を取得したと発表した。そして、チェルシーは1月22日、WSIに配備するROROパッセンジャー船舶(貨客フェリー)一隻の建造契約を締結したと発表した。
この建造契約は、 警固屋船渠(KEGOYA DOCK CO.,LTD.、本社:広島県呉市)との間で締結され、 3隻の追加発注オプションが付せされている。最大4隻の船舶は2019年から2020年にかけて納入されることとなっている。警固屋船渠は1949年設立、現在は五洋建設の100%子会社となっている。
なお、チェルシーは、ドゥテルテ大統領の地盤であるミンダナオ島ダバオ市を拠点とする有力財界人のデニス・ウイ氏に率いられている。デニス・ウイ氏は、Udenna Development Corp(UDC)等のもとで、石油販売、ロジスティクス、不動産開発などを幅広い事業を展開している。チェルシーもその一つである。
デニス・ウイ氏は、PSE上場企業のフェニックス・ペトロリアム(PNX)の社長兼CEOでもある。PNXの旧社名はダバオ・オイル・ターミナル・サービス社で、ミンダナオ中心に、各石油製品、潤滑油、化学製品などの卸売りを行っている。全国に所有するガソリンスタンド数は、創業時の2005年の5店から、2012年末300店、2013年末368店、2014年末418店と急ピッチで増加、2016年末には505店に達している。
PNXは、1月11日、フィリピンでファミリーマートを展開する「フィリピンファミリーマートCVS社(PFM)」の株式100%を、既存株主(SIAL CVSリテイラーズ社、株式会社ファミリーマート、伊藤忠商事)から取得している。PNXはガソリンスタンドでのファミリーマート展開を計画している。また、現時点でファミリーマート未進出のミンダナオ島で積極展開する方針でもある(18年1月22日のフィリピン証券取引所回覧00326-2018号などより)。
その一環として、昨夏、スターライト・フェリーズ(
さらにチェルシーは、さらに、11月8日には、
この建造契約は、 警固屋船渠(KEGOYA DOCK CO.,LTD.、本社:広島県呉市)との間で締結され、 3隻の追加発注オプションが付せされている。
なお、チェルシーは、
デニス・ウイ氏は、PSE上場企業のフェニックス・
PNXは、1月11日、