17年の比ヤクルト販売13%増、4年連続二桁増加

世界主要市場第2位の伸率、1日当たり276万本に

2018/01/31

    ヤクルトグループは、現在約40の国と地域で乳酸菌飲料を販売している。フィリピンでは、ヤクルト本社が40%出資するフィリピンヤクルト(持分法適用会社、所在地:首都圏マニラ市)が、1978年10月から販売を行っている。すなわち、今年発売40周年を迎えるのである。海外発売時期としては、1964年の台湾、1968年のブラジル、1969年の香港、1971年の韓国とタイに次ぐ歴史を有している。現在は、「ヤクルト」と「ヤクルトライト」を製造販売している。

 フィリピンヤクルトの資本金は18億ペソ、2016年末の従業員数は1,298人、ヤクルトレディは3,110人、取引店は15万1,721店に達している。工場はラグナ州カランバ市に立地している。そして、日本と同基準の厳しい品質管理で製造された「ヤクルト」を1本8ペソ(約18円)いう低価格で提供してきている。したがって、「ヤクルト」は、安価な栄養食品となっており、庶民の強い味方として知名度も高くなっている。

 ヤクルト本社の速報によると2017年(1月~12月)のフィリピンヤクルトの一日当り販売数量は前年比12.7%増の276万2千本に達した。この販売数量は、海外市場では中国の700万3千本、インドネシアの529万4千本、韓国の357万3千本、メキシコの367万8千本に次ぐ世界第5位で、タイの221万1千本を上回っている。
 
 また、フィリピンの前年比12.7%増という伸び率は、ベトナムの27.9%増、中国の20.2%増、インドの18.5%増、米国15.3%増に次ぐ5位であった。ただし、ベトナム、インド、米国は市場規模が小さく、100万本以上の規模の主要市場においては、フィリピンは、中国に次ぐ第2位の伸びを示したといえよう。そして、フィリピンでは、需要が非常に好調であり、生産能力増強を図りつつあるが、需要拡大ピッチに追い付かず、一部出荷制限を行わなければならない状況が続いた。このような供給面での制約がなければ、販売伸び率はさらに高くなっら可能性がある。

 フィリピンでは、2017年だけでなく、2014年が17.7%増、2015年が14.0%増、2016年が14.5%増と世界の主要市場でトップクラスの伸び率を続けてきている。そして、2017年の一日当り販売数量276万2千本は、2006年の同94万8千本の2.9倍となっている。2007年に同100万3千本と百万本の大台突破、2015年に同213万9千本で二百万本突破と順調に拡大してきている。


 フィリピンヤクルトの1日当たり販売数量推移(単位:千本)

時期

06年

07年

08年

09年

10年

11年

12年

13年

14年

15年

16年

17年
販売数

948

1,003

1,217

1,299

1,220

1,295

1,502

1,594

1,877

2,139

2,449

2,762

伸率

1.7%

5.7%

21.4%

6.9%

-6.1%

6.2%

15.9%

6.2%

17.7%

14.0%

14.5%

12.7%
 (出所:ヤクルト本社決算発表補足資料などから作成)