フィリピン証券取引所(PSE)、2017年は18%増益

まもなくマカティ市からボニファシオへ移転

2018/02/06

   フィリピン証券取引所(PSE、自身もPSEに上場)が、2月5日に、2017年の決算速報を発表した。

 PSEの2017年の収入は前年比10%増の16億3,000万ペソとなった。新規上場案件が4件と低調であったが、1日当たり売買金額が前年比3%増の80億6,000万ペソと堅調であったこと、PSEテキタイトのオフィススペース売却などによりその他収入が急増したことで増収となった。一方、費用が同2%減の5億9,600万ペソへと削減されたこともあって、純利益は同18%増の8億2,500万ペソへと二桁増加した。


 フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
項目 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 17年末
フィリピン証券取引所指数 4,371.96 5,812.73 5,889.83 7,230.57 6,952.08 6,840.64 8,558.42
年末時価総額(億ペソ) 86,970 109,301 119,313 142,517 134,651 144,388 175,831
  国内企業時価総額 72,390 94,163 96,452 117,128 111,878 118,732 144,908
  外国企業時価総額 14,580 15,138 22,861 25,389 22,773 25,656 30,923
1日平均売買額(億ペソ) 57.1 72.6 105.2 88.0 89.6 78.1 80.6
外人の売買額シェア 37.8% 45% 51% 49% 48% 51% 50%
外人買越額(億ペソ) 565.2 1,099.8 155.9 557.2 -597.1 21.6 562.1
PER(株価収益率) 16.57倍 17.97倍 17.79倍 20.13倍 19.48倍 17.90倍 22.27倍
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成、株価収益率はPSE基準算出数値)

 なお、PSEは、本社所在地やトレーディングフロアを、現在のマカティ市アヤラ・トライアングルのPSEプラザ・タワー1から、ボニファシオ基地跡大再開発プロ ジェクトの中心である先端都市ボニファシオ・グローバルシティ(BGC)に新設したPSEタワーに移転しつつある。

 具体的には、BGCの5thアベニューと28thストリートの交差する地点で、セント・ルークス病院などに近接する。PSEの移転構想自体はかなり以前からあり、BGCの開発主体であるフォート・ボニファシオ開発社(FBDC)が、BGCの魅力を高めるべく、PSEの本社や取引フロアをBGCに誘致 しようとしたことに端を発する。

 FBDCは2002年に、5,000平米の土地をPSEに寄贈した。当初計画では、PSEは早い段階でBGCに移転する予定であったが、その後の景気変動やマカティ市への影響などを考慮し、慎重な対応が行われてきた。2013年にBGCへの移転を正式決議してからもかなりの時間が経過している。この土地開発はアヤラランドと共同で進められつつある。PSE移転後はBGCの魅力が一段と高まることになると期待されている。(18年2月5日のフィリピン証券取引所発表より)。