経営幹部の女性比率、フィリピン47%で世界1位に

日本5%で最下位:太陽グラントソントン中堅企業調査

2018/03/06

    有力会計・監査グループである太陽グラントソントンは、3月5日、2017年「中堅企業経営者意識調査」『女性経営幹部』に関する世界35カ国調査結果を発表した。

 この調査は、2017年11月~12月に実施されたもので、非上場企業を中心とする中堅企業(従業員数100人~750人)が対象となっている。グラントソントン加盟主要35カ国が実施する世界同時調査の一環でもある。

 今回の調査において、世界35カ国の中堅企業経営者に、「自社の経営幹部の女性比率」について尋ねたところ、全調査対象国の平均は24%と前回調査よりわずかに低下、経営幹部における女性比率の平均が約4分の1であることが判明した。調査を開始した2004年(全対象国平均19%)に比較すると改善傾向にあるものの、そのペースは非常に緩やかなものとなっていることが明らかになった。

 日本の中堅企業における「経営幹部の女性比率」は5%で、2004の調査開始以来、最低レベル(2012年も同じく5%)、調査対象国中唯一の1桁の数字となった。また、2004年の調査開始以来の14年間、日本は全ての調査で最下位となった。世界の対象国全体の平均値を見ると、わずかながらでも改善傾向にある中で、日本の今回の結果は初回調査(2004年調査で8%)を下回る数値となっており、世界の潮流とは相反する現状が明らかになった。さらに経営幹部に一人も女性がいない中堅企業も日本が69%と最も多く、日本の調査対象企業の7割近くで女性経営幹部が不在であることが示された。

 「経営幹部の女性比率」が今回最も高かったのは、フィリピンの47%(前回40%で3位)で女性が経営幹部の半数近くを占めることが分かった。以下、2位インドネシアの43%、3位タイの42%、4位ロシアの41%、5位リトアニアとエストニアの36%と続く。その他、主要国では中国が31%(前回調査31%)、米国が21% (同23%)、英国が22% (同19%)などなり、前回調査からの大きな変動はなかった。また地域別に見るとEUの平均は27%となり2017年の調査結果(26%)とほぼ変わらず、ASEANの平均では前回の調査結果の36%に対して今回は39%とわずかながら改善が見られた。