小売り外資規制、一店当たり投資額が焦点に

現行の83万米ドル以上との規定緩和期待

2018/03/13

 まもなく第11次外資投資ネガティブリスト(外資や外国人のフィリピン参入禁止・制限規定)が発表されるとの観測が高まっている。新ネガティブリストで特に注目されているものの一つが、小売事業への外資参入規制の追加緩和である。

 フィリピンでは1954年発効の小売業国民化法により、長期間、外資企業による小売市場参入完全禁止が続いた。しかし、2000年3月25日に共和国法8762号(The Retail Trade Liberalization Act of 2000{通称:小売自由化法})が発効、条件付きで外資による小売市場参入が可能となった。

 2000年小売自由化法外資による小売市場参入条件の主なものは、(1)払込資本金が250万米ドル相当以上(ハイエンドや高級品に特化した業態では最低資本金が25万米ドル以上)、(2)一店当たり投資額が83万米ドル相当以上であることなどである。

 現地各紙報道などによると、第11次外資投資ネガティブリストにおいて、盛り込まれると期待されている小売事業への外資参入規制の追加緩和について、最大の焦点は、一店当たり投資額83万米ドル相当以上という規定の緩和である。当初は、250万米ドル相当以上という全払込資本に関する緩和であったが、現在は、この条項はさほど大きな関心事ではないとのことであり、一店当たり投資額規定がどのようになるのかに注目が集まっている

 コンビニエンス ストアチェーンのような小規模店舗を多数展開するような業態では、全体の払込資本額規定遵守は困難ではないが、一店当たり投資額83万米ドル相当以上とい規定が非常に高いハードルとなる。1店当たりの投資額には、在庫、建物、家具、備品、什器、機器・装置類など有形・無形の資産を含み、チェーン全体のロジスティクス費用や研究開発費などの経費を各店舗に配分することも可能ではあるが、やはり1店当たりの投資額83万米ドル相当以上という規定をクリアーすることはかなり難しいといえよう。

 この一店当たり投資額83万米ドル相当以上という規定が、零細小売業保護に大きく寄与していることになるが、コンビニなど比較的新しい業態のチェーン展開を大きく阻害することは、消費者の便益を損なったり、外資誘致の阻害要因になる。したがって、関係当局も、一店当たり最低投資額設定に悩んでおり、依然、20万米ドル、50万米ドルなどの案が交錯しているとのことである。一部には、業態ごと、店舗ごとの基準設定という考えも出たようでもある。

 また、一店当たり投資額の運用規定には、例外的な適用除外条項も盛り込まれており、その例外条項がどのようになるかも注目される。