カジノ「オカダ・マニラ」、2年内の上場目指す

第1四半期売上高89億円(UE社報告書ベース)

2018/05/17

 フィリピンで総合カジノリゾート施設「Okada Manila」(オカダ・マニラ)を運営するユニバーサルエンターテインメン ト社(UE社)は5月14日、2018年第1四半期(1-3月)報告書を発表した。  

    同報告書によると、今第1四半期のカジノリゾート事業の売上高は88億9,800万円、営業損失は14億0,900万円。 前四半期(2017年10-12月)と比較して、売上高は17億3,600万円、率にして24%増加、営業損失は5億5,000万円、 率にして28%縮小した。カジノを中心とした施設全体の売上高が増加し、すでに単月のEBITDAはプラスに転じてい る。稼動施設の増加により、総合型リゾートとしての魅力が向上し、来場者数が伸びたことで、マス向けのカジノ売 上が順調に拡大している。当四半期のホテル客室稼働率は97%と非常に高い水準となった。  

    VIP向けカジノに関しては、業界最大手のカジノジャンケットであるSuncity社及びTak Chun社が、今第1四半期後 半から営業を開始し、VIP向けカジノの売上増加に寄与し始めた。  マルチカラー噴水「ザ・ファウンテン」、ナイトクラブやビーチクラブを有した「コーブ・マニラ」に続き、キッズ向け施 設「プレイ」が2月にオープン。今後も稼動施設の拡張作業に注力していく。第2四半期には、ローカルのプレミアム 層専用カジノエリア「マハリカクラブ」やスパのオープン、さらにホテル客室やショッピングエリアの拡張を計画して いる。大手ジャンケットの営業が本格稼動することにより、VIP向けカジノ全体の売上増加も見込まれる。これらの ことから、売上高が増加し、固定費を吸収することで、今後のEBITDAの増加が期待される。  

 「オカダ・マニラ」が立地する経済特区「エンターテインメント・シティ」の2017年のカジノ市場は前年比28%増の成 長をみせており、この傾向は今後数年間継続すると予想されている。その中で「オカダ・マニラ」は施設規模とサー ビス品質の両面における差別化によって、シェアを拡大しつつあり、市場環境を追い風に、様々なゲスト層のニー ズに応える世界有数のエンターテインメント・リゾート施設としての完成度をさらに高めていく方針である。また、同 社グループはカジノリゾート事業の中核会社「Tiger Resort, Leisure and Entertainment, Inc.」(タイガーリゾート・レ ジャー&エンターテインメント)を今後2年程度以内を目安に株式公開の準備を進めている。  

    一方、カジノリゾート事業の懸念材料としては、世界の経済環境の変動、為替市場における通貨変動など経済的 要因、フィリピン政府の税制改正やフィリピン賭博公社(PAGCOR)の規制改正といった事業環境の変動要因によ り、グループの業績が影響を受ける可能性もあるとしている(18年5月14日のユニバーサルエンターテインメント社 発表より)。