比の即席麺市場、17年は10%増の37.5億食

韓国を抜き世界7位に、ASEANでは3位継続

2018/06/06

 東南アジア地域は、麺食文化がもともと存在することに加え、継続的な経済成長による即席麺の消費量・販売額の拡大が見込める有望市場である。中でもフィリピンは、近年6%以上の成長を続けるなどASEAN屈指の高成長を続けている国であり、即席麺需要が堅調に推移している。

 世界ラーメン協会(World Instant Noodles Association 、略称:WINA、本部:大阪府吹田市)によると、下表の様に、フィリピンの2017年の即席麺の総需要は前年比10%増の37億5,000万食で世界第7位、ASEANではインドネシアとベトナムに続く第3位の市場となっている。そして、世界総需要約1,001億食のうちの3.7%を占めている。一人あたりの年間消費量は約37食以上に達している。


 即席麺は手頃価格で簡単に食べられることから、フィリピンでは人気は衰えず需要は年々増加傾向にある。スープタイプでは特にシーフード味が人気。パンシット・カントンと呼ばれる焼きそばタイプも人気で、カラマンシー(スダチ)味やホットチリ味が好まれている。メリエンダと呼ばれる午後のおやつの習慣があり、メリエンダ向けなどにミニサイズのカップ麺販売も好調である。今後も人口増加や経済力の向上にともない、さらなる市場拡大が期待されている。

 インスタントラーメンの世界総需要と上位12市場(単位:億食)
順位 国/地域 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
1 中国/香港 424.7 440.3 462.2 444.0 404.3
2 インドネシア 145.3 147.5 149.0 134.3 132.0
3 日本 55.1 54.1 55.2 55.0 55.4
4 インド 35.3   43.6  49.8  53.4  32.6
5 ベトナム 49.0 50.6 52.0 50.0 48.0
6 米国 42.7 43.4 43.5 42.8 40.8
7 フィリピン 28.4 30.2 31.5 33.2 34.8
8 韓国 35.9 35.2 36.3 35.9 36.5
9 タイ 28.8 29.6 30.2 30.7 30.7
10 ブラジル 21.3 23.1 23.7 23.7 23.78
11 ロシア 20.6 20.9 21.2 19.4 18.4
12 ナイジェリア 12.6 13.4 14.3 15.2 15.4
 
合計 982.2 1,018.0 1,059.9 1,039.6 975.1
 (出所:世界ラーメン協会資料より作成)