川崎汽船にフィリピン政府から社会奉仕賞

2018/06/15

 フィリピン政府は、川崎汽船の運航コンテナ船(8,000TEU型)「HAMBURG BRIDGE」(乗組員:フィリピン人27名)が行った人道支援(移民救助)活動に対し、その勇敢な行動を称え、「2018年バゴン・バヤニ社会奉仕賞(2018 Bagong Bayani Award for Community and Social Service)」を授与することを決定、6月7日、マニラ首都圏パサイ市に立地するフィリピン国際会議場において、その授与式が盛大に執り行われた。

 バゴン・バヤニ賞は、海外就労フィリピン人の中で、特に顕著で模範的な活動を行った者へ与えられる賞である。フィリピン政府は、この賞を通じて海外で働く自国民の威厳と社会貢献を高めることを目的とし ている。 同賞は、船員だけではなく、世界中で働く全てのフィリピン人を対象に選考が行われる為、フィリピン国外就労者にとって大変名誉ある賞である。

 授与式では、政府関係者を含む出席者 300 名が見守る中、この勇気ある行動を称え、ドゥテルテ大統領の代理として労働雇用省ラグンザッド労働雇用事務次官)より、当時乗船していたブエナベンチュラ船長に記念品の盾とメダルが授与された。

 なお、川崎汽船は、「船舶の安全運航と環境保全」を支えるための大きな柱の一つとして、安定的な海事技術者の確保と育成を目的に、マニラの海事技術者研修施設「"K" ライン マリタイム アカデミー(KLMA)」を強化・拡張している。今年3月2日には、既存施設に隣接して建設を進めていた新ビル「OCEAN BREEZE」が竣工した。

 川崎汽船のフィリピンでの船員育成に関する取り組みは、1993年の"K" Line Maritime Training Corporation (KMTC) 設立に始まる。KMTCはその後、2008年2月に完成した既存ビル「"K" Line Building」内でKLMAとして拡大を図り、現在では年間延べ1万人の受講者を受け入れ、川崎汽船の事業基盤である『船舶の安全運航と環境保全』を支える大きな柱のひとつとして、安定的に良質な船員の確保と育成を行っている。

 3月にオープンした「OCEAN BREEZE」は、最新の医療機器を備えた船員用クリニックや225名が利用可能な宿泊施設(既存ビルと合わせ282名利用可能)を有するとともに、上層階にはオフィス・フロアーをもつ11階建ての複合施設で、ますます重要化するフィリピン人船員のみならず、川崎汽船運航船のすべての船員の確保・育成の象徴的な施設となる。

 ビルには川崎汽船駐在員事務所をはじめ、船員のマンニング会社、海運代理店、ロジスティックス関連会社などのグループ会社が入居し、グループ内のシナジー効果も期待されている。川崎汽船では、グループ一丸となって優秀な海事技術者の確保・育成を進め、安全運航をベースとした高品質な輸送の維持・向上を図って行く方針である(18年6月14日の川崎汽船株式会社ニュースリリースなどより)。