第1四半期末のペソ建て社債残高20%増、1兆1千億ペソに

1位アヤラランドの947億ペソ、2位SMプライムの938億ペソ

2018/07/05

    アジア開発銀行(ADB)は7月2日に、東アジア債券市場の動向に関する報告書「アジア債券モニター」(ABM)最新版である2018年6月号(2018年第1四半期実績などを記載)を発表した。

  「アジア債券モニター」(ABM)は、ASEAN6カ国(フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム)、中国、韓国、香港という合計9カ国・地域の東アジア新興国(EEA)現地通貨建て(LCY)債券市場の変化を定期的に調査・分析しているものである。

 このABM最新版によると、2018年第1四半期末(3月末)のフィリピンにおけるペソ建て債券残高は、前期末(2017年12月末)比2.1%増、前年同期末(2017年3月)比13.1%増の5兆5,930億ペソ(1,070億米ドル相当)に達した。そのうち、国債残高が前期末比0.5%増、前年同期末比11.7%増の4兆4,790億ペソであった。

 一方、フィリピンにおけるペソ建て社債残高は、前期末(2017年12月末)比9.2%増、前年同期末(2017年3月)比19.5%増の1兆1,140億ペソに達し、初の1兆ペソの大台乗せとなった前期末から更に拡大した。このうちの87.8%は上位30社が発行したものである。なお、2018年第1四半期の社債発行額は、前期比108.7%増、前年同期比20.8%増の、632億ペソであった。

 2017年末のペソ建て社債残高の企業別トップはアヤラランドの947億ペソであった。2位はSMプライム・ホールディングスの938億ペソ、3位はメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク)の592億ぺソ、4位はBDOユニバンクの588億ペソ、5位はSMインベストメンツの523億ペソ、6位はサンミゲルの500億ペソ、7位はフィリピン・ナショナル・バンク(PNB)の475億ペソ。

 以下、8位がアヤラコープの400億ペソ、9位がサンミゲル・ブリュワリー(SMB=サンミゲル・ビール)の348億ペソ、10位がマイニラッド社の339億ペソ、11位がアボイティス・エクイティー・ベンチャーズ(AEV)の320億ペソ、12位がセキュリティバンクの316億ペソなどと続く(18年7月2日のアジア開発銀行発表などより)。