フィリピン中央銀行(BSP)対外収支データによると、2018年5月のフィリピン人海外就労者(OFW)からの銀行経由による本国現金送金額は前年同月比6.9%増の24億6,900万米ドルであった。

　18年年初から5カ月間(1月－5月)のOFW送金額は前年同期比4.2%増の118億2,200万米ドル。そのうち、陸上ベースのOFWからの送金額は4.0%増の93億6,500万米ドル、海上ベースのOFWからは4.9%増の24億5,700万米ドルであった。 なお、この統計におけるOFW送金額は中央銀行が把握している公式銀行ルートによるものである。

　送金元の国別動向については、1位が米国で前年同期比6.2%増の39億7,600万米ドル(シェア33.6%)、2位サウジアラビアの10.4%減の9億7,300万米ドル(8.2%)、3位アラブ首長国連邦(UAE)の6.5%減の8億8,200万米ドル(7.5%)、4位シンガポールの9.0%増の7億4,400万米ドル(6.3%)、5位日本の8.9%増の6億3,400万米ドル(5.4%)、6位英国の8.4%増の6億0,900万米ドル(5.2%)、7位カタールの10.0%減の4億2,500万米ドル(3.6%)、8位カナダの34.5%増の4億2,000万米ドル(3.6%)、9位ドイツの16.8%増の3億5,600万米ドル(3.0%)、10位香港の9.1%増の3億2,500万米ドル(2.8%)など。


　　OFWからの銀行経由送金額推移(単位：百万米ドル、伸び率：%)

項目	年間推移						1 - 5月
年	12年	13年	14年	15年	16年	17年	17年	18年
送金額	21,391	22,984	24,628	25,607	26,900	28,060	11,346	11,822
対前年伸率	6.3	7.4	7.2	4.0	5.0	4.3	4.5	4.2

（出所：フィリピン中央銀行資料より作成、2017/2018年は速報値）

　　月別OFWからの銀行経由送金額推移(単位：百万米ドル、伸び率：%)

年	17年								18年
月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	12月	1月	2月	3月	4月	5月
送金額	2,310	2,467	2,283	2,499	2,186	2,275	2,262	2,741	2,379	2,267	2,360	2,347	2,469
対前年伸率	5.5	5.7	7.1	7.8	-8.3	8.4	2.0	7.1	9.7	4.5	-9.8	12.7	6.9

(出所：フィリピン中央銀行資料より作成、全て速報値)


　また、国際通貨基金(IMF)の「国際収支国際投資ポジションマニュアル」(BPM第6版)に準拠した包括的OFW送金データ(銀行経由現金送金＋帰国時持参分＋非現金型資産贈与含む)によると、5月の包括的OFW送金額は前年同月比6.1%増の27億4,600万米ドル、5カ月間累計では前年同期比4.4%増の131億7,200万米ドル。

　熟練OFWに対する根強い需要に加え、継続的な銀行・ノンバンク系送金機関のネットワーク拡大や送金市場における金融商品の革新等が送金流入の増加に寄与している（18年7月16日のフィリピン中央銀行発表より）。


　包括的OFW送金額(単位：百万米ドル、伸び率：%)

項目	年間推移						1 - 5月
年	12年	13年	14年	15年	16年	17年	17年	18年
送金額	23,352	25,369	27,273	28,308	29,706	31,288	12,613	13,172
対前年伸率	6.5	8.6	7.5	3.8	4.9	5.3	5.2	4.4

(出所：フィリピン中央銀行資料より作成、2017/2018年は速報値)

　月別包括的OFW送金額推移(単位：百万米ドル、伸び率：%)

年	17年								18年
月	5月	6月	7月	8月	9月	10月	11月	12月	1月	2月	3月	4月	5月
送金額	2,588	2,751	2,559	2,800	2,442	2,552	2,526	3,046	2,655	2,528	2,627	2,616	2,746
対前年伸率	7.1	6.8	8.7	9.4	-7.0	9.7	3.2	7.9	10.8	5.4	-9.9	12.9	6.1

(出所：フィリピン中央銀行資料より作成、全て速報値)