ジョリビーフーズ設立40周年、上場25周年

国内外で4千店超に、世界的外食企業へ

2018/07/23

 フィリピンのファーストフード最大手ジョリビーフーズ(JFC)が、7月14日、フィリピン証券取引所(PSE)上場25周年を迎えた。PSEでは7月18日に、JFC上場25周年記念セレモニーが開催された。

 JFCは現会長であるトニー・タン・カクチョン氏(以下、トニー・タン氏)が1975年にアイスクリーム販売で起業し、1978 年1月にJFCを創設、1代でJFCをフィリピン最大のファーストフードチェーンに育て上げた。そして、1993年7月14日に株式をPSEに上場させるに至った。すなわち、今年はJFC設立40周年であり、PSEへの上場25周年という節目の年である。

 43年前に一軒のアイスクリームパーラーとしてスタートしたJFCの現在の国内外装店舗数は4,000店超に達し、フィリピンを代表する優良企業の一社となっている。積極的な出店を続けており、2018年の規出店数は約500店(国内で250~300店)となる見込み。特に近年は海外進出が活発化しており、既に中国、東南アジア、中東、米国、カナダなどで幅広く事業展開しているが、日本などへの進出も計画されている。店舗数、売上高、株式時価総額などで、日本のトップクラスの外食チェーンと並ぶ、あるいは凌ぐようになっており、既にアジア最大級の外食チェーンとなっているが、世界的にも注目される存在となってきている。

 傘下のハンバーガーチェーンである「ジョリビー」は、「国民食」とまで称されるほど圧倒的な支持を得ている。世界的に有名なマクドナルドがハンバーガー 市場でトップになれない唯一の主要国はフィリピンであるといわれるほどだ。
 2018年3月末のジョリビーの国内店舗数は1,074店で、フィリピン・マクドナルドの572店の約1.9倍であり、その差はなかなか縮小しないというより拡大傾向にある。ジョリビーのグループ企業であるバーガー・キング94店を加えればその差はさらに拡大、ジョリビー連合が1,166店で比マクドナルドの約2倍強となる。

 JFCは海外ネットワークの更なる拡充戦略の一環として、2015年10月、米国の新興ハンバーガー・チェーン「スマッシュバーガー」の株式40%を9,947万米ドルで取得した。この時点ではマイノリティ取得であったが、今年4月16日、加取得オプションの一部を行使、「スマッシュバーガー」株式45%を追加取得、「スマッシュバーガー」保有比率を85%に高め、連結子会社化した。すなわち、ハンバーガーの本場である米国において、ハンバーガー・チェーンを買収したのである。「スマッシュバーガー」の本部はコロラド州デンバーで、現在米国内外で合計365店を展開している。

 なお、トニー・タン会長は、2004年のフィリピン初代年間最優秀起業家(アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー)に選出された。そして、2004年5月のモナコ・モンテカルロでの世界アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー(EOY)大会において2004年の世界アントレプレナー・オブ・ザ・イヤーに選出された。そして、現在は、フィリピンを代表する起業家という評価のみならず、フィリピンを代表する優秀な経営者の一人として評価されるに至っている。