三菱商事とセンチュリーの比住宅開発事業前進

フィリピン競争委員会が合弁事業を承認

2018/07/27

 三菱商事は、フィリピン大手不動産会社であるCentury Properties Group社(センチュリ―プロパティーズ、以下、センチュリー社)と共同で、新興中間層向け住宅デベロッパー(新会社)を設立するための合弁契約書を締結した。

 新会社は、フィリピン全土に於いて、新興中間層向けの分譲住宅を開発・販売する。毎年3~5件の新規開発プロジェクトを立ち上げることで、設立後10年以内に年間1万戸を供給することを目指す。高品質な住宅を1戸あたり平均300~500万円で提供することにより、フィリピンの住環境向上に貢献する。

 出資比率は三菱商事40%、センチュリー社60%である。三菱商事は経営への関与に加えて、日本の技術力を活かした品質の向上と安定化、建材・住宅設備機器の大量調達体制の構築等で役割を果たす。

 フィリピンでは経済成長に伴い、都心部への人口流入が進んでおり、住宅不足と住宅価格高騰が継続している。フィリピン政府は急増する中間層向けの住宅整備を喫緊の課題と捉えており、新会社は斯様な課題解決に寄与するものと期待される。

<新会社概要>
・社名 : PHirstPark Homes Inc.(ファースト・パーク・ホームズ インク)
    ※「Philippines(フィリピン)」と「First(人生初のマイホーム)」を融合させた造語。
・本社 : フィリピン共和国 マニラ首都圏マカティ市
・設立 : 2018年
・資本金 : (設立時)10億フィリピンペソ (1ペソ=2.1円換算で約21億円)

 フィリピン競争委員会(PCC)はこのほど、三菱商事とセンチュリー社との合弁事業については、「競争制限的な要素は見当たらない」として合弁事業を承認した。PCCの承認により、この合弁事業は大きく前進したといえる。現在は、証券取引委員会(SEC)の合弁事業設立承認(登録)を待っているところである(18年7月26日のフィリピン証券取引所回覧05060-2018号などより)。

 なお、三菱商事とセンチュリー社は、すでに不動産事業で協働している。両社は、マニラ中心部の南に位置するカビテ州タンザにおいて26haの敷地を取得し、約3,000戸の住宅を集積させたコミュニティを開発するという事業を行っている。着工・販売 は2017年から順次行われおり、そのうちのフェーズ1(予定販売戸数約1,040戸)の販売が同年5月27日に開始され、同年7月央時点で予約販売率が83%に達するという好調なスターチを切っている。このタンザ分譲事業を各地で本格展開していくということで、今回の新会社設立に至った。

 また、両社は、マカティ市の中心部で35階建ての先端オフィスビルを開発中であり、2019年末に完工予定である。このプロジェクトにはサンケイビル(本社:東京都千代田区)と京阪ホールディングス(本社:大阪市中央区)が今年4月に参画を決定している。

 三菱商事は、過去5年の間に、東南アジア地域に於いて、計9件約1万5,000戸の住宅開発に参画してきた。今後も、不動産・都市開発への取り組みを通じて、「経済価値」、「社会価値」 、「環境価値」の同時実現を目指す。