サンミゲルフーズ&ビバレッジ、巨額の株式売出しを申請
1株140ペソ想定、最大1,428億ペソに、株価急騰
2018/08/24
サンミゲルグループの食品と飲料事業を大統合して発足した「サンミゲルフーズ&ビバレッジ(SMFB)」が、8月22日、証券取引委員会(SEC)に対して、サンミゲルが保有するSMFB株式の最大10億2,005万株売り出し(基本売り出し株数8億8,700万株+追加オプション1億3,305万株)を申請した。この売り出しは、フィリピン証券取引所(PSE)の浮動株式比率最低基準を満たすこと、事業資金調達などを目的としている。
このSMFB株式売却申請に際して、サンミゲルやSMFBは1株当たりの想定売り出し価格は140ペソとコメントした。1株当たり140ペソで売り出しを行うと、売り出し総額は1,428億ペソと巨額なものとなる。8月22日のフィリピン証券取引所(PSE)におけるSMFBの終値は80ペソであったが、想定売り出し価格140ペソという報道を受けて急騰、23日の終値は92.10ペソと前日比15%上昇、大型株らしからぬ動きとなった。
既報のとおり、サンミゲルグループの食品と飲料事業を大統合の方法は、食品子会社であったサンミゲル ピュアフーズ(PF)が授権資本額を24億6,000万ペソから120億ペソへと大幅増額したうえで、サンミゲル向けにPF新株約42億4,255万株(44%)を発行。このPF新株約42億4,255万株の価値は約3,363億ペソと試算された。
サンミゲルは、PF株44%取得費用約3,363億ペソを、保有するビール製造子会社サンミゲル ブリュワリー(サンミゲル ビール、SMB)普通株式約78億5,932万株(発行株式数の約51.2%)と洋酒製造子会社ヒネブラ サンミゲル(GSBI)の普通株式約2億1,970万株(同約78.3%)譲渡で充当。すなわち、株式交換により、サンミゲルはPF株式44%を追加取得、PFはビール事業と洋酒事業を傘下に収めたのである
このように従来からの食品にくわえ飲料事業を統合することになったPFは、定款の主たる事業目的に「アルコール飲料事業」などを加え、社名を「サンミゲルフーズ&ビバレッジ(SMFB)」へと変更することを決定。この社名変更は今年3月末に先行承認され、授権資本増額や株式交換による飲料事業統合は6月29日に最終承認された。すなわち、6月29日、サンミゲルグループの食品と飲料事業の統合が公式に完成、総合飲食企業SMFBが正式発足したともいえる。
これらの結果、SMFBの普通株式発行済み株式数はこれまでの約16億6,667万株から約59億0,922万株へと大幅増加、浮動株式比率は同14.6%から4.12%へと急低下した。このままでは、PSEの浮動株式比率最低基準(10%以上)不遵守となることもあって、株式売り出しによる浮動株式比率引き上げが必要となったのである(18年8月23日のフィリピン証券取引所回覧05737-2018号などより)。
このSMFB株式売却申請に際して、
既報のとおり、
サンミゲルは、PF株44%取得費用約3,363億ペソを、
このように従来からの食品にくわえ飲料事業を統合することになっ
これらの結果、