8月のインフレ率6.4%、6年間で最高

8カ月間平均4.8%、食料の寄与度2.1%

2018/09/06

 フィリピン統計庁(PSA)発表によると、2018年8月の総合インフレ率(総合消費者物価指数、2012年=100)は6.4%(速報値)となり、前月から0.7%ポイント上昇、2013年以降(2012年=100)で最も高い数値となった。一方、年初から8カ月間(1月-8月)の平均インフレ率は4.8%で、政府のインフレ目標上限を0.8%ポイント上回った。
 
 8月に関しては、酒類・煙草や大部分の食品が値上りし、インフレ率を押し上げた。11品目中、食品・非アルコール飲料、酒類・煙草等6品目が上昇。住宅・水道・光熱費、交通・輸送、通信の3品目が鈍化、衣類・靴類の1品目が横ばい。食品に関しては、野菜類、米、パン・シリアル、肉類、魚類、砂糖・菓子類の上昇が目立った。
 
 8月の特定食品・エネルギー関連品目等変動の激しい品目を除いたコアインフレ率は4.8%で、前月から0.3%ポイント上昇した。
 
 総合インフレ率を地域別で見ると、首都圏は7.0%で前月から0.5%ポイント上昇。大きな構成比を占める食品・非アルコール飲料(7.2%)が前月から1.5%ポイント上昇したのが響いた。また、地方も6.2%と前月から0.7%ポイント上昇。インフレ率が最も高かった地方はビコール地方(9.0%)、次いで、ミンダナオ・イスラム教徒自治区(8.1%)。最もインフレ率が低かった地方は、中央ルソン地方(3.6%)。

総合消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率:2012年基準、前年同月比%)
項目 18年8月 18年7月 17年8月 18年1-8月
全国    総合インフレ率 6.4 5.7 2.6 4.8
      コアインフレ率 4.8 4.5 2.2 3.7
首都圏   総合インフレ率 7.0 6.5 3.3 5.6
地方    総合インフレ率 6.2 5.5 2.4 4.6
(出所:フィリピン統計庁資料より作成)

インフレ率目標と実績の推移(インフレ実績は2012年基準値)
13年 14年 15年 16年 17年 18-20年
インフレ目標  3.0-5.0% 3.0-5.0% 2.0-4.0% 2.0-4.0% 2.0-4.0% 2.0-4.0%
インフレ実績 2.6%  3.6% 0.7% 13% 2.9% -
 (出所:フィリピン中央銀行資料より作成)

総合CPI上昇率(2012年基準、前年同月比%)
項目 17年 18年
8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月
総合 2.6 3.0 3.1 3.0 2.9 3.4 3.8 4.3 4.5 4.6 5.2 5.7 6.4
食料品・非アルコール飲料 2.9 3.3 3.2 3.0 3.5 4.4 4.8 5.9 5.9 5.7 6.1 7.1 8.5
酒類・煙草 6.8 6.7 7.2 6.2 6.3 12.2 16.9 18.6 20.0 20.5 20.8 21.5 21.6
衣料・靴類 2.3 2.1 2.0 2.0 1.8 1.9 2.0 2.0 2.2 2.2 2.2 2.4 2.4
住宅・水道光熱費 1.5 3.2 3.5 3.3 2.8 2.8 2.6 2.9 3.0 3.0 4.6 5.6 5.5
家庭備品・維持 2.1 2.1 2.0 2.0 2.1 2.2 2.4 2.7 2.8 2.9 3.0 3.3 3.5
保健・衛生 2.6 2.4 2.3 1.8 1.6 2.1 2.1 2.4 2.8 2.8 2.7 3.7 4.0
交通・輸送 5.7 6.0 5.6 5.7 4.0 4.5 5.7 4.6 4.9 6.2 7.1 7.9 7.8
通信 0.3 0.2 0.2 0.3 0.3 0.3 0.2 0.3 0.3 0.3 0.4 0.5 0.4
娯楽・文化 1.6 1.4 1.4 1.2 1.3 1.5 1.4 1.4 1.5 1.5 1.4 0.9 2.4
教育 2.1 2.1 2.1 1.8 1.8 1.8 1.8 1.8 1.8 1.8 4.0 -3.9 -3.8
外食・雑貨・サービス 1.7 1.9 1.8 1.9 1.9 2.2 2.5 3.0 3.4 3.7 3.6 3.7 4.0
首都圏 3.3 4.4 4.3 4.5 4.2 4.7 4.7 5.2 5.2 4.9 5.8 6.5 7.0
 地方 2.4 2.6 2.8 2.5 2.5 3.1 3.6 4.1 4.3 4.6 5.1 5.5 6.2
(出所:フィリピン統計庁資料より作成)

食料品物価上昇率(2012年基準、前年同月比%)
項目 食料 コーン 果物 野菜 肉類 魚類 乳製品・卵 油・油脂 パン・シリアル 砂糖・菓子類 その他食品
18/1月 4.6 1.5 7.6 5.1 3.3 6.5 12.3 2.2 4.3 1.8 -1.9 0.7
2月 4.8 2.8 10.4 6.2 2.7 6.6 11.2 2.3 4.0 2.9 -1.6 2.0
3月 5.7 3.6 11.1 7.1 6.0 6.1 12.9 2.0 3.8 3.5 -0.9 3.5
4月 5.5 4.3 13.4 6.7 6.8 5.0 12.3 2.0 3.5 4.1 0.0 3.4
5月 5.5 4.3 13.7 5.5 7.0 4.8 11.4 2.1 3.1 4.1 0.6 3.0
6月 5.8 4.7 14.1 5.3 8.6 5.0 11.2 2.2 3.1 4.5 3.9 3.1
7月 6.8 5.0 13.0 5.1 16.0 5.8 11.4 2.4 3.6 4.9 7.4 3.7
8月 8.2 7.1 12.6 6.2 19.2 7.6 12.4 2.7 3.8 6.3 9.1 4.1
(出所:フィリピン統計庁資料より作成)

 

 

 なお、中央銀行(BSP)発表によると、8月の総合インフレ率(2012年=100)6.4%への寄与度は、食品・非アルコール飲料3.3%(うち食料品2.9%)、住宅・水道光熱費1.2%、交通・輸送費0.6%、外食・サービス他0.5%、酒類・煙草0.3%、健康・医療0.2%、衣料・靴類0.1%など。一方、8カ月間の平均インフレ率4.8%への寄与度は、食品・非アルコール飲料2.3%(うち食料品2.1%)、住宅・水道光熱費0.8%、交通・輸送費0.5%、酒類・煙草0.3%、外食・サービス他0.4%、健康・医療0.1%、衣料・靴類0.1%など。
 
 中央銀行(BSP)は、9月27日に開催される金融政策会合で、最近の展開と物価への影響を注意深く検討していく方針である(18年9月5日のフィリピン統計庁・中央銀行発表より)。

2018年8月のインフレ率(2012年=100)と寄与度(単位:%)
項目 物価指数 8月 1-8月
構成比 インフレ率 寄与度 インフレ率 寄与度
総合 100.00 6.4 6.4 4.8 4.8
食品・非アルコール飲料 38.34 8.5 3.3 6.0 2.3
   うち食料品のみ 35.46 8.2 2.9 5.9 2.1
酒類・煙草 1.58 21.6 0.3 19.0 0.3
衣料・靴類 2.93 2.4 0.1 2.2 0.1
住宅・水道光熱費 22.04 5.5 1.2 3.8 0.8
家庭用品・営繕 2.95 3.5 0.1 2.8 0.1
健康・医療 3.89 4.0 0.2 2.9 0.1
交通・輸送 8.06 7.8 0.6 6.0 0.5
通信 2.93 0.4 0.0 0.3 0.0
娯楽・文化 1.41 2.4 0.0 1.5 0.0
教育 3.28 -3.8 -0.1 0.6 0.0
外食・サービス他 12.59 4.0 0.5 3.3 0.4
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成)