三菱商事の分譲住宅合弁事業、1,200億円規模に

センチュリーとのファースト パークホームズ社始動

2018/09/23

 フィリピンの大手不動産会社であるCentury Properties Group社(センチュリープロパティーズ、以下、センチュリー社)は、9月20日、フィリピン証券取引所(PSE)での情報公開において、三菱商事との合弁による新興中間層向け住宅開発企業「ファースト パーク ホームズ社」が始動したと発表した。

 「ファースト パーク ホームズ社」の出資比率は三菱商事40%、センチュリー社60%、フィリピンで新興中間層向けの分譲住宅を開発・販売する。高品質な住宅を1戸あたり平均約150万~250万ペソで約3万3千戸を供給することにより、570億ペソ(約1,200億円)の売上高を目指すとともに、フィリピンの住環境向上に貢献する。三菱商事は経営への関与に加えて、日本の技術力を活かした品質の向上と安定化、建材・住宅設備機器の大量調達体制の構築等で役割を果たす。

 「ファースト パーク ホームズ社」のリッキー・セリス社長は「今後5年間で、マニラ首都圏南方のカラバルソン地方や中部ルソン地方で15の住宅開発プロジェクトをスタートする。投資額は280億ペソ、そのうち当初5年間の投資額は110億ペソとなる」とコメントした。

 フィリピンでは経済成長に伴い、都心部への人口流入が進んでおり、住宅不足と住宅価格高騰が継続している。フィリピン政府は急増する中間層向けの住宅整備を喫緊の課題と捉えており、「ファースト パーク ホームズ社」はこの様な課題解決に寄与するものと期待される。

<新会社概要>
・社名 : PHirstPark Homes Inc.(ファースト パーク ホームズ社)
    ※「Philippines(フィリピン)」と「First(人生初のマイホーム)」を融合させた造語。
・本社 : フィリピン共和国 マニラ首都圏マカティ市
・資本金 : (設立時)10億フィリピンペソ (1ペソ=2.1円換算で約21億円)

 なお、三菱商事とセンチュリー社は、すでに不動産事業で協働している。両社は、マニラ中心部の南に位置するカビテ州タンザにおいて26haの敷地を取得し、約3,000戸の住宅を集積させたコミュニティを開発するという事業を行っている。着工・販売は2017年から順次行われおり、そのうちのフェーズ1(予定販売戸数約1,200戸、販売額約14億ペソ)の販売が同年5月27日に開始され、同年7月央時点で予約販売率が83%に達するという好調なスターチを切っている。このタンザ分譲事業を各地で本格展開していくということで、今回の「ファースト パーク ホームズ社」設立に至った。

 三菱商事は、過去5年の間に、東南アジア地域に於いて、計9件約1万5,000戸の住宅開発に参画してきた。今後も、不動産・都市開発への取り組みを通じて、「経済価値」、「社会価値」 、「環境価値」の同時実現を目指す方針である。