9月のインフレ率6.7%、9年半で最高水準に

食品の寄与度3.4%、コアインフレ率4.7%

2018/10/07

 フィリピン統計庁(PSA)発表によると、2018年9月の総合インフレ率(総合消費者物価指数、2012年=100)は6.7%(速報値)となり、前月から0.3%ポイント加速した。そして、今年年初から導入された2012年基準での遡上可能な6年9カ月間での最高水準となった。また、旧基準の2006年基準では、20092月の7.2%以来約9年半ぶりの高水準となった

 一方、年初から9カ月間(1月-9月)の平均インフレ率は5.0%(2012年基準)となり、政府のインフレ目標(2~4%)の上限を1.0%ポイント上回るペースとなっている。年間平均も5%台に達する可能性が大きく、2018年のインフレ目標達成は難しい状況となっている。

 9月に関しては、酒類・煙草や大部分の食品が値上りし、インフレ率を押し上げた。11品目中、食品・非アルコール飲料、酒類・煙草等8品目が上昇し、住宅・水道・光熱費の1品目が鈍化。教育と外食・雑貨・サービスの2品目が横ばいだった。食品に関しては、米、パン・シリアル、野菜類、砂糖・菓子類、魚類、肉類の上昇が目立った。

 9月の特定食品・エネルギー関連品目等変動の激しい品目を除いたコアインフレ率は4.7%で、前月から0.1%ポイント鈍化した。

 総合インフレ率を地域別で見ると、首都圏は6.3%で前月から0.7%ポイント鈍化した一方で、地方は6.8%と前月から0.6%ポイント上昇した。インフレ率が最も高かった地方はビコール地方(10.1%)、次いで、ミンダナオ・イスラム教徒自治区(9.0%)。最もインフレ率が低かった地方は、中央ルソン地方(4.5%)、次いでコルディリェラ自治区(5.0%)。

総合消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率:2012年基準、前年同月比%)
項目 18年9月 18年8月 17年9月 18年1-9月
全国    総合インフレ率 6.7 6.4 3.0 5.0
      コアインフレ率 4.7 4.8 2.7 3.9
首都圏   総合インフレ率 6.3 7.0 4.4 5.5
地方    総合インフレ率 6.8 6.2 2.6 4.8
(出所:フィリピン統計庁資料より作成)

インフレ率目標と実績の推移(インフレ実績は2012年基準値)
13年 14年 15年 16年 17年 18-20年
インフレ目標  3.0-5.0% 3.0-5.0% 2.0-4.0% 2.0-4.0% 2.0-4.0% 2.0-4.0%
インフレ実績 2.6%  3.6% 0.7% 13% 2.9% -
 (出所:フィリピン中央銀行資料より作成)

総合CPI上昇率(2012年基準、前年同月比%)
項目 17年 18年 
9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月
総合 3.0 3.1 3.0 2.9 3.4 3.8 4.3 4.5 4.6 5.2 5.7 6.4 6.7
食料品・非アルコール飲料 3.3 3.2 3.0 3.5 4.4 4.8 5.9 5.9 5.7 6.1 7.1 8.5 9.7
酒類・煙草 6.7 7.2 6.2 6.3 12.2 16.9 18.6 20.0 20.5 20.8 21.5 21.6 21.8
衣料・靴類 2.1 2.0 2.0 1.8 1.9 2.0 2.0 2.2 2.2 2.2 2.4 2.4 2.5
住宅・水道光熱費 3.2 3.5 3.3 2.8 2.8 2.6 2.9 3.0 3.0 4.6 5.6 5.5 4.6
家庭備品・維持 2.1 2.0 2.0 2.1 2.2 2.4 2.7 2.8 2.9 3.0 3.3 3.5 3.6
保健・衛生 2.4 2.3 1.8 1.6 2.1 2.1 2.4 2.8 2.8 2.7 3.7 4.0 4.1
交通・輸送 6.0 5.6 5.7 4.0 4.5 5.7 4.6 4.9 6.2 7.1 7.9 7.8 8.0
通信 0.2 0.2 0.3 0.3 0.3 0.2 0.3 0.3 0.3 0.4 0.5 0.4 0.5
娯楽・文化 1.4 1.4 1.2 1.3 1.5 1.4 1.4 1.5 1.5 1.4 0.9 2.5 3.0
教育 2.1 2.1 1.8 1.8 1.8 1.8 1.8 1.8 1.8 4.0 -3.9 -3.8 -3.8
外食・雑貨・サービス 1.9 1.8 1.9 1.9 2.2 2.5 3.0 3.4 3.7 3.6 3.7 4.0 4.0
首都圏 4.4 4.3 4.5 4.2 4.7 4.7 5.2 5.2 4.9 5.8 6.5 7.0 6.3
 地方 2.6 2.8 2.5 2.5 3.1 3.6 4.1 4.3 4.6 5.1 5.5 6.2 6.8
(出所:フィリピン統計庁資料より作成、8月の娯楽・文化は改定値)


食料品物価上昇率(2012年基準、前年同月比%)
項目 食料 コーン 果物 野菜 肉類 魚類 乳製品・卵 油・油脂 パン・シリアル 砂糖・菓子類 その他食品
18/1月 4.6 1.5 7.6 5.1 3.3 6.5 12.3 2.2 4.3 1.8 -1.9 0.7
2月 4.8 2.8 10.4 6.2 2.7 6.6 11.2 2.3 4.0 2.9 -1.6 2.0
3月 5.7 3.6 11.1 7.1 6.0 6.1 12.9 2.0 3.8 3.5 -0.9 3.5
4月 5.5 4.3 13.4 6.7 6.8 5.0 12.3 2.0 3.5 4.1 0.0 3.4
5月 5.5 4.3 13.7 5.5 7.0 4.8 11.4 2.1 3.1 4.1 0.6 3.0
6月 5.8 4.7 14.1 5.3 8.6 5.0 11.2 2.2 3.1 4.5 3.9 3.1
7月 6.8 5.0 13.0 5.1 16.0 5.8 11.4 2.4 3.6 4.9 7.4 3.7
8月 8.2 7.1 12.6 6.2 19.2 7.6 12.4 2.7 3.8 6.3 9.1 4.1
9月 9.7 10.4 8.7 5.6 21.0 8.4 13.4 2.7 4.2 8.6 10.3 4.8
(出所:フィリピン統計庁資料より作成)

 なお、中央銀行(BSP)発表によると、9月の総合インフレ率(2012年=100)6.7%への寄与度は、食品・非アルコール飲料3.7%(うち食料品3.4%)、住宅・水道光熱費1.0%、交通・輸送費0.6%、外食・サービス他0.5%、酒類・煙草0.3%、保健0.2%、衣料・靴類0.1%、教育-0.1%など。一方、9カ月間の平均インフレ率5.0%への寄与度は、食品・非アルコール飲料2.5%(うち食料品2.2%)、住宅・水道光熱費0.9%、交通・輸送費0.5%、酒類・煙草0.3%、外食・サービス他0.4%、保健0.1%、衣料・靴類0.1%など。

2018年9月のインフレ率(2012年=100)と寄与度(単位:%)
項目 物価指数 9月 1-9月
構成比 インフレ率 寄与度 インフレ率 寄与度
総合 100.00 6.7 6.7 5.0 5.0
食品・非アルコール飲料 38.34 9.7 3.7 6.4 2.5
   うち食料品のみ 35.46 9.7 3.4 6.3 2.2
酒類・煙草 1.58 21.8 0.3 19.3 0.3
衣料・靴類 2.93 2.5 0.1 2.2 0.1
住宅・水道光熱費 22.04 4.6 1.0 3.9 0.9
家庭用品・営繕 2.95 3.6 0.1 2.9 0.1
健康・医療 3.89 4.1 0.2 2.9 0.1
交通・輸送 8.06 8.0 0.6 6.3 0.5
通信 2.93 0.5 0.0 0.4 0.0
娯楽・文化 1.41 3.0 0.0 1.6 0.0
教育 3.28 -3.8 -0.1 0.2 0.0
外食・サービス他 12.59 4.0 0.5 3.4 0.4
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成)
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