比イオンファンタジー、今上半期は39%増収に

既存店4.9%増収、営業損益3,400万円の黒字転換

2018/10/17

 株式会社イオンファンタジーは、フィリピンで、2014年5月に子会社「イオンファンタジー・フィリピン」を設立した。そして、同年11月に、イオンファンタジーキッズーナ フィリピン1号店がマニラ首都圏ケソン市のショッピングモール「ロビンソンズ・ガレリア」内にグランドオープンした。この出店によりイオンファンタジーのアセアン地域での店舗展開は、マレーシア、タイ、ベトナム、カンボジアに次いで5カ国目となった。
 
 その後、フィリピンにおけるイオンファンタジーキッズーナは着実に増加している。初出店から約1年後の2015年12月には、セブ初となる13号店をオープンした。そして2016年4月には、北ダバオ州タグム市のロビンソンズプレイス・タグム店に18号店をオープンした。これはミンダナオ島第1号店でもあり、ドゥテルテ現大統領の地盤への出店となった。
 
 すなわち、マニラ首都圏を中心としたドミナント化を推進するとともに、セブ、ダバオなど首都圏以外での出店も積極化させつつある。その結果、2018年9月末時点で46店となり、前年同月末の33店から13店、率にして39%の増加となった。また、2年前の2016年9月末の23店からは倍増となっている。
 
 このほどイオンファンタジー本社は、2019年2月期(2018年3月~2019年2月)上半期(2018年3月~8月)の連結決算を発表した。それによると、今上半期の売上高は前年同期比5.7%増の378億円、営業利益は同12%増の28億5,100万円、経常利益は同15%増の26億5.300万円、帰属純利益は同23.5%増の13億6,000万円で、いずれも上半期としては過去最高となった。アセアン事業における売上高は同33.9%増の27億1,700万円、営業利益は同141%増の9,100万円となった。
 
 そのなかで、フィリピン事業の売上高は同39%増の6億4,700万円へと大幅増加した。大幅増収は主に新店効果によるものであるが、既存店売上高も同4.9%増と堅調であったことが注目される。損益面では、店舗利益が同40%増の8,800万円、営業損益は3,400万円の黒字となり、前年同期の400万円の赤字から急向上した。
 
 ちなみに、2018年2月期通年のフィリピン事業の売上高は同57.5%増の10億7,900万円、店舗利益が同70.5%増の1億6,200万円、営業利益が同11倍の2,200万円へと急増した。今期は収益拡大に拍車がかかりつつあるといえよう。
 
 なお、イオンファンタジーは、2018年度から2020年度までの中期3カ年計画において、アジアシフトの加速を掲げており、アジア店舗数を2017年度の389店の1.9倍の730店とする方針である。特にフィリピンにおいては2017年度比2.1倍の81店と高い伸びを目指している。フィリピンは、年間人口増加率が約2%、9歳以下の人口が2割(2千万人)以上と高く、子供向けアミューズメント施設需要の急拡大が期待できる。