海上保安庁、巡視船をフィリピンと豪に派遣

自由で開かれた海洋秩序の強化を目指して

2018/10/24

 日本の海上保安庁は、東南アジア海域等における海賊対策のため10月30日から約1ヶ月間、巡視船「えちご」をオーストラリア連邦、フィリピン共和国に派遣する。派遣中は、公海上でのしょう戒を実施するほか、寄港地等での関係機関との連携 訓練・意見交換等を通じて海上法執行能力の向上及び各国との連携・協力関係の強化を図ることとしており、更には、これらの取組みにより、インド太平洋海域の法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序の強化に寄与していくこととしている。 
 
 海賊をはじめ海の安全を脅かす脅威に対して、法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序を実現することは、地域の平和、安定及び繁栄を支える上で不可欠なものである。海上保安庁は、東南アジア諸国等の海上法執行能力向上支援の観点から、インド太平洋海域の結節点の東南アジア海域等における海賊対策として、2000年から同海域に巡視船を派遣している。今回の派遣の概要等は次のとおり。 
 
1 派遣巡視船:第九管区海上保安本部新潟海上保安部 巡視船えちご (総トン数約3,300トン、ヘリコプター1機搭載) 
2 派遣国及び連携訓練等概要:
(1) オーストラリア連邦 
 オーストラリア北西部は、日本へ LNG、鉄鉱石等を輸出する主要な仕出地。その海上輸送ルート周辺海域の公海上をしょう戒しつつ、オーストラリア海上国境司令部の事務所が所在するダーウィンに寄港し、日豪海上保安当局間の意見交換等を実施予定。 
(2) フィリピン共和国 
・近年、スールー海・セレベス海において船員の誘拐を目的とした海賊・武装強 盗事案が発生していることを踏まえ、昨年度フィリピン政府により設定されたミンダナオ島南部の推薦航路上において、フィリピン沿岸警備隊の巡視船と会合し、連携訓練を実施予定。 
・マニラ港沖合においては、フィリピン沿岸警備隊、アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)と法執行能力向上を目的とした連携訓練を予定。同訓練には、日本が供与した巡視船1隻を含むフィリピン沿岸警備隊の巡視船2隻が参加予定。
・11月23日にマニラ入港、11月26日にマニラ出港、12月4日新潟港入港と予定。
(18年10月23日の海上保安庁ニュースリリースなどより)