最大銀行BDO、9カ月間の純利益6%増の215億ペソ

年間では10%増の310億ペソで連続最高益更新見込み

2018/10/30

 フィリピンの最大銀行(資産規模など)であるBDOユニバンク(BDO)は10月29日、2018年9カ月間(1月~9月)の決算速報を発表した
 
 それによると、今9カ月間の総営業収入は前年同期比(以下同様)13%増の1,073億ペソに達した、主力の純金利収入が20%増の715億ペソと好調であった。主に融資が順調に増えたことによる。一方、非金利収入は3%増の358億ペソと一桁増にとどまった。保険料・手数料収入が21%増と好調であったが、金融市場変調で売買益・外為益が71%急減したことが響いた。
 
 営業費用は、新規出店コスト増や印紙税増税などにより13%増の717億ペソへと増加した。これらの結果、純利益は6%増の215億ペソに達した。
 
 2017年の年間純利益は前年比7%増の281億ペソで連続最高益更新を継続したが、2018年も堅調な推移となっている。BDOは、2018年純利益目標を同10%増の310億ペソと設定しているが、達成可能な状況である。
 
 BDOの資産規模トップの座は一段と強固になっている。また、財務体質の改善も進んでおり、9月末の不良債権(NPL)比率は1.1%と前年同月末の1.3%から更に改善、不良債権貸倒引当率は175%で同136%から一段と向上している。また、自己資本額は約3,118億ペソに達しており、バーゼルⅢ基準による自己資本比率(CAR)は13.9%、普通株中核自己資本(CET1)比率は12.3%で、中央銀行の各々の最低基準である10%、8.5%をかなり上回っている。
 
 BDOの本店所在地はマニラ首都圏 マカティ市。フィリピン全土に1,200店以上の店舗、4,000台以上のATMを有している。海外には、香港支店を含む25拠点を有している。また、ジャパンデスクを設置しており、日系企業向けサポート体制が充実している。日本企業のフィリピン進出増加に対応すべく、日本の国際協力銀行(JBIC)や有力地方銀行との提携を進めてきている(18年10月29日のフィリピン証券取引所回覧07197-2018号より)。