ジョリビー・フーズ好調、9カ月間で19%増益に

国内3,003店、海外1,350店の合計4,353店

2018/11/13

 ファーストフード・チェーン最大手のジョリビー・フーズ(JFC)は11月12日、2018年9カ月間(1月~9月)の決算速報を発表した。今9カ月間のグループ全体の総売上高は前年同期比(以下同様)24.2%増の1,531億7,900万ペソ、営業収入は21.5%増の1,148億4,300万ペソに達した。
 
 世界的なグループ店舗の拡大や既存店の堅調な売り上げ等により二桁増収となった。原材料価格、輸送費、人件費などのコスト上昇があったものの、二桁増収効果や効率化などでこなし帰属純利益は19.2%増の60億8,600万ペソ、1株当り純利益(EPS:完全希薄後ベース)は18.0%増の5.510ペソとなった。
 
 国内、海外双方で積極出店を続けている。9カ月間で302の新店をオープンした(国内177店、海外125店)。この結果、2018年9月30日現在、JFCがマジョリティーを有する事業における国内店舗数は3,003店に達している。内訳はハンバーガーのジョリビー1,110店、中華のチャウキン551店、ピザのグリーンウイッチ279店、ケーキ・ベーカリーのレッドリボン446店、鶏肉・バーベキューのマン・イナサル518店、バーガー・キング98店、ベトナム麺のフォー24が1店となっている。
 
 一方、海外店舗数は1,350店舗に達した。そのうち、中国ではファーストフード・チェーンのYongheキング(永和大王)が314店、粥チェーンの宏状元餐が42店、ダンキン・ドーナツ(中国)14店となっている。海外でのジョリビーは2222店(ベトナム107店、ブルネイ16店、香港8店、シンガポール6店、マカオ1店、米国37店、カナダ4店、サウジ13店、UAE14店、カタール7店、クウェート6店、バーレーン1店、オマーン1店、イタリア1店)。これらのJFCグループが経営を支配する事業の国内外合計店舗数は4,353店舗に達している。
 
 フィリピンでは、ハンバーガーのジョリビーが、国民食とまで称されるほどの圧倒的な支持を得ている。マクドナルドがハンバーガー市場でトップになれない唯一の主要国がフィリピンでもある。ジョリビーのシェアは約50%と見られる。
 
 このジョリビーは、今年4月にイタリア1号店をミラノに、6月にマカオ1号店を、10月20日には英国第1号店をロンドンのアールズコート ロード沿いに出店した。10月27日には、米国ニューヨーク・マンハッタンにも出店した。米国38号店、北米41号店となるマンハッタン店は、タイムズ・スクエアやマジソン・スクエア・ガーデンなどに近いミッドタウン・ウエストの8番街と39ストリート・40ストリートのコーナーに立地する。
 
 ジョリビーは、2018年内にマレーシアのコタキナバルにも出店予定である。2019年には、ローマやグアムにも出店予定とのことであり、海外進出に一段と拍車がかかっている。また、JFCは、2015年、米国の新興ハンバーガー・チェーン「スマッシュバーガー」に40%出資、2018年4月には、出資比率を85%に高め子会社化した。すなわち、ハンバーガーの本場である米国において、ハンバーガー・チェーンを買収したのである。「スマッシュバーガー」の本部はコロラド州デンバーで、現在米国内外で合計347店を展開している (18年11月12日のフィリピン証券取引所回覧07559-2018号より)。