比セブンイレブン独走続く、9月末2,442店に

ミニストップ496店、ファミマ66店などと大差

2018/11/15

 フィリピンでもコンビニエンス業界の競争が激化しつつある。現在は業界断トツのセブン イレブンをマーキュリー・セルフサービス、ミニストップ、ファミリーマートなどが追うという構図になっている。2015年3月にはローソンもフィリピン1号店をオープン、現在35店に達しているとみられる。
 
 首位のセブン イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが52.216%(2018年9月末現在)を所有するフィリピン・セブン社(PSC)によって運営されている。PSCは1982年11月に設立され、1984年2月にケソン市エドサ通り沿いにオープンした。その後、店舗網拡充に注力、2013年末に1,000店の大台を突破、2016年末には1995店、2017年末には2,285店に達し、フィリピンでの24時間営業のブランド・コンビニエンスストア店舗数シェア約50%超を誇っている。このPSCは1998年2月4日にフィリピン証券取引所(PSE)に上場した。
 
 2018年も店舗数が順調に増加している。2018年9月末で2,442店に達し、前年同月末の2,172店から270店、率にして12.4%増加した。2016年以降は店舗数の減少傾向のミニストップ(2018年9月末496店)やファミリーマート(同66店)との差を拡大させている。2018年通年では35億ペソを投じて300店以上の出店を行う意向である。
 
 2018年9月末のセブン イレブン2,442店の地域別内訳はルソン地域1,898店(うちマニラ首都圏912店)、セブを中心とするビサヤ地域345店、ダバオを中心とするミンダナオ地域199店となっている。また自営店が46%、54%がフランチャイズ店となっている。
 
 このようなPSCの2018年9カ月(1月~9月)のグループ全売上高は前年同期比(以下同様)21.9%増の331億ペソ、商品売上高は同22.8%増の283億ペソに達した。増収効果や効率化効果などにより営業利益は同13%増の10億8,730万ペソ、純利益は同13.4%増の7億3,530万ペソとなった。1株当たり純利益(EPS)も同13.4%増の0.97ペソに達した。ただし、第3四半期は、費用増加などで純利益は横ばいの2億0,220万にとどまった。

 9カ月間での二桁増益の要因は新店効果に加え、既存店売上高が同8.1%増と好調だったことなどである。2018年初から導入された税制促進包括改革(TRAIN)パッケージ1については、個人所得税率引き下げによる購買力向上という好影響をもたらした。また、加糖飲料への課税に関しても、売上数量は落ち込むことはなく、売上単価の上昇という効果をもたらした。
 
フィリピンのセブン・イレブン店舗数(年末)とPSC年間純利益推移(単位:百万ペソ)
時期 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18年上半期
店舗数 287 311 368 447 551 689 829 1,009 1,282 1,602 1,995 2.285 2,442
純利益 20.1 54.8 84.3 155.8 276.9 356.3 465.2 682.6 873.3 1,008.3 1,175.5 1,317.9 735.3
 (出所:フィリピン・セブン資料などより作成)
 
 主な日本ブランドのコンビニ店舗数(比セブンイレブンやファミリーマートは資本的には非日系企業 )
年・月 13 14 15 16 17 18
3 6 9 12 3 6 9 12 3 6 9
セブンイレブン 1,009 1,282 1,602 1,655 1,740 1,840 1,995 2,031 2,087 2,172 2,285 2,329 2,386 2,442
ミニストップ 386 454 519 518 513 501 499 493 491 489 496 489 488 496
ファミリーマート 31 87 120 104 102 101 99 81 72 68 66 64 65 66
ローソン 0 0 16 17 19 24 29 30 32 33 31 34 34 35
 (出所:各社資料より作成、ミニストップとファミリーマートは日本側発表値、ローソンはウエブ等からの推計値)