10カ月間のOFW送金、2.9%増の265億ドルに

うち銀行経由現金送金3.1%増の238億ドル

2018/12/18

 フィリピン中央銀行(BSP)対外収支データによると、2018年10月のフィリピン人海外就労者(OFW)からの銀行経由による本国現金送金額は前年同月比8.7%増の24億7,400万米ドルであった。
 
 18年年初10カ月間のOFW送金額は前年同期比3.1%増の237億6,800万米ドル。そのうち、陸上ベースのOFWからの送金額は2.8%増の187億2,300万米ドル、海上ベースのOFWからは4.2%増の50億4,500万米ドルであった。 なお、この統計におけるOFW送金額は中央銀行が把握している公式銀行ルートによるものである。
 
 送金元の国別動向については、1位が米国で前年同期比6.0%増の82億0,600万米ドル(シェア34.5%)、2位サウジアラビアの11.1%減の18億5,300万米ドル(7.8%)、3位アラブ首長国連邦(UAE)の19.0%減の16億9,600万米ドル(7.1%)、4位シンガポールの6.1%増の15億2,400万米ドル(6.4%)、5位日本の3.6%増の12億4,600万米ドル(5.2%)。
 
OFWからの銀行経由送金額推移(単位:百万米ドル、対前年伸び率:%)
項目 年間推移 1 - 10
12 13 14 15 16 17 17 18
送金額 21,391 22,984 24,628 25,607 26,900 28,060 23,056 23,768
伸率 6.3 7.4 7.2 4.0 5.0 4.3 4.2 3.1
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成、2017/2018年は速報値)
 
 月別OFWからの銀行経由送金額推移(単位:百万米ドル、対前年同月伸び率:%)
17 18
10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
送金額 2,275 2,262 2,741 2,379 2,267 2,360 2,347 2,469 2,357 2,401 2,476 2,237 2,474
伸率 8.4 2.0 7.1 9.7 4.5 -9.8 12.7 6.9 -4.5 5.2 -0.9 2.3 8.7
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成、全て速報値)

 
 また、国際通貨基金(IMF)の「国際収支国際投資ポジションマニュアル」(BPM第6版)に準拠した包括的OFW送金データ(銀行経由現金送金+帰国時持参分+非現金型資産贈与含む)によると、10月の包括的OFW送金額は前年同月比8.0%増の27億5,700万米ドル、10カ月間累計では前年同期比2.9%増の264億7,000万米ドル。
 
 熟練OFWに対する根強い需要に加え、継続的な銀行・ノンバンク系送金機関のネットワーク拡大や送金市場における金融商品の革新等が送金流入の増加に寄与している。
 
包括的OFW送金額(単位:百万米ドル、対前年伸び率:%)
項目 年間推移 1 - 10
12 13 14 15 16 17 17 18
送金額 23,352 25,369 27,273 28,308 29,706 31,288 25,717 26,470
伸率 6.5 8.6 7.5 3.8 4.9 5.3 5.2 2.9
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成、2017/2018年は速報値)
 
 月別包括的OFW送金額推移(単位:百万米ドル、対前年同月伸び率:%
17 18
10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
送金額 2,552 2,526 3,046 2,655 2,528 2,627 2,616 2,746 2,615 2,675 2,760 2,490 2,757
伸率 9.7 3.2 7.9 10.8 5.4 -9.9 12.9 6.1 -4.9 4.5 -1.4 2.0 8.0
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成、全て速報値)