18年の株価12.8%下落、外国人609億ペソ売り越し
下落率:資源株28.9%、金融株20.2%、不動産8.8%
2019/01/01
フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の12月末終値(12月28日)は7,466.02ポイントで前月末比1.33%上昇したが、2018年年間では12.76%の大幅下落となった。
2018年年初は、フィリピンの好景気や日米など主要国市場の強い動きを受け非常に強い動きとなり、1月26日に初の9,000ポイント台を突破、1月29日には9,058.62ポイントという終値ベースでの史上最高値を記録した。しかし、その後は、国内外での継続的な利上げ、米中貿易摩擦激化、フィリピンの対外収支、特に経常収支の悪化やインフレ亢進、外国人の継続的な売り越しなどを背景に急反落に転じ、11月13日の終値が6,843.83ポイントと7,000台を大きく割り込むに至った。年末にかけては、インフレピークアウト観測や値頃感からの押し目買いの動きなどにより若干反発したが、年間では二桁下落となった。
2018年の大分類セクター別指数は軒並み下落した。鉱業・石油株(資源株)は28.71%下落、金融株は20.19%下落、持株会社株は14.79%下落、サービス業株は10.94%下落、不動産株は8.80%下落、工業株は2.49%下落となった。金利敏感株の代表ともいえる不動産株は、金利上昇にもかかわらず足許の業績が堅調ということもあって一桁の下落にとどまった。
2018年の1日当たり平均売買額は71億4,700万ペソにとどまり、2017年の80億5,911万ペソを11%下回った。外人の売買額シェアは51%で前年の50%を僅かに上回った。外国人は約608億7千万ペソの大幅売り越しで、2017年の約562億1千万ペソの買い越しから激変した。
2018年末のPSE時価総額は2017年末比8.2%減の16兆1,467億ペソ、そのうち国内企業時価総額が同6.5%減13兆5,437億ペソとなった。PSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は17.89倍となり、前年末の22.27倍から大幅低下した(PSE取引記録などより)。
フィリピン証券取引所指数の動き(年末値/月末価、18年12月28日末現在)
(出所:フィリピン証券取引所やPDS資料より作成)
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成、株価収益率はPSE基準算出数値)
2018年年初は、フィリピンの好景気や日米など主要国市場の強い動きを受け非常に強い動きとなり、1月26日に初の9,000ポイント台を突破、1月29日には9,058.62ポイントという終値ベースでの史上最高値を記録した。しかし、その後は、国内外での継続的な利上げ、米中貿易摩擦激化、フィリピンの対外収支、特に経常収支の悪化やインフレ亢進、外国人の継続的な売り越しなどを背景に急反落に転じ、11月13日の終値が6,843.83ポイントと7,000台を大きく割り込むに至った。年末にかけては、インフレピークアウト観測や値頃感からの押し目買いの動きなどにより若干反発したが、年間では二桁下落となった。
2018年の大分類セクター別指数は軒並み下落した。鉱業・石油株(資源株)は28.71%下落、金融株は20.19%下落、持株会社株は14.79%下落、サービス業株は10.94%下落、不動産株は8.80%下落、工業株は2.49%下落となった。金利敏感株の代表ともいえる不動産株は、金利上昇にもかかわらず足許の業績が堅調ということもあって一桁の下落にとどまった。
2018年の1日当たり平均売買額は71億4,700万ペソにとどまり、2017年の80億5,911万ペソを11%下回った。外人の売買額シェアは51%で前年の50%を僅かに上回った。外国人は約608億7千万ペソの大幅売り越しで、2017年の約562億1千万ペソの買い越しから激変した。
2018年末のPSE時価総額は2017年末比8.2%減の16兆1,467億ペソ、そのうち国内企業時価総額が同6.5%減13兆5,437億ペソとなった。PSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は17.89倍となり、前年末の22.27倍から大幅低下した(PSE取引記録などより)。
フィリピン証券取引所指数の動き(年末値/月末価、18年12月28日末現在)
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2008年 | 1,872.85ポイント | -48.29% |
2009年 | 3,052.68ポイント | 63.00% |
2010年 | 4,201.14ポイント | 37.62% |
2011年 | 4,371.96ポイント | 4.07% |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% |
2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% |
2014年 | 7,230.57ポイント | 22.76% |
2015年 | 6,952.08ポイント | -3.85% |
2016年 | 6,840.64ポイント | -1.60% |
2017年 | 8,558.42ポイント | 25.11% |
2018年 1月末 | 8,764.01ポイント | 2.40% |
2月末 | 8,475.29ポイント | -3.29% |
3月末 | 7,979.83ポイント | -5.85% |
4月末 | 7,819.25ポイント | -2.01% |
5月末 | 7,497.17ポイント | -4.12% |
6月末 | 7,193.68ポイント | -4.05% |
7月末 | 7,672.00ポイント | 6.65% |
8月末 | 7,855.71ポイント | 2.39% |
9月末 | 7,276.82ポイント | -7.37% |
10月末 | 7,140.29ポイント | -1.88% |
11月末 | 7,367.85ポイント | 3.19% |
12月末 | 7,466.02ポイント | 1.33% |
2018年12カ月間 | - | -12.76% |
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 18年12月末終値 | 2018年上昇率 |
フィリピン証券取引所指数 | -3.85% | -1.60% | 25.11% | 7,466.02 | -12.76% |
全株指数 | -6.43% | 4.15% | 20.06% | 4,517.85 | -9.46% |
金融株指数 | -8.58% | 6.76% | 34.71% | 1,779.85 | -20.19% |
工業株指数 | -7.94% | -3.45% | 5.46% | 10,951.36 | -2.49% |
持株会社株指数 | 4.78% | 5.92% | 23.23% | 7,341.81 | -14.79% |
不動産株指数 | 3.75% | 5.17% | 29.73% | 3,627.98 | -8.80% |
サービス業株指数 | -28.03% | -14.86% | 24.33% | 1,442.71 | -10.94% |
鉱業・石油株指数 | -34.07% | 13.72% | -3.00% | 8,200.50 | -28.71% |
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
項目 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 |
フィリピン証券取引所指数 | 5,889.83 | 7,230.57 | 6,952.08 | 6,840.64 | 8,558.42 | 7,466.02 |
年末時価総額(億ペソ) | 119,313 | 142,517 | 134,651 | 144,388 | 175,831 | 161,467 |
国内企業時価総額 | 96,452 | 117,128 | 111,878 | 118,732 | 144,908 | 135,437 |
外国企業時価総額 | 22,861 | 25,389 | 22,773 | 25,656 | 30,923 | 26,030 |
1日平均売買額(億ペソ) | 105.2 | 88.0 | 89.6 | 78.1 | 80.6 | 71.5 |
外国人の売買額シェア | 51% | 49% | 48% | 51% | 50% | 51% |
外国人買越額(億ペソ) | 155.9 | 557.2 | -597.1 | 21.6 | 562.1 | -608.7 |
PER(株価収益率) | 17.79倍 | 20.13倍 | 19.48倍 | 17.90倍 | 22.27倍 | 17.89倍 |
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