三菱商事、アヤラコーポレーション株式を追加売却

1,300株(2%)を1株900ペソ、総額117億ペソ

2019/01/17

 三菱商事は、フィリピンを代表するアヤラ財閥の旗艦企業であるアヤラコーポレーション(アヤラコープ、以下ACと記す)の主要株主であり、AC取締役(定員7名)のうち1名を占めている。現在、三菱商事マニラ支店長の松永啓一氏がACの取締役を務めている。

 この三菱商事が、保有するAC株式の一部1,300万株(発行済み株式の約2%)を追加売却した。今回の売却価格は1株当たり900ペソ、売却総額は117億ペソであった。この売却は、2019年1月16日、フィリピン証券取引所PSE)のブロックセールというかたちで執行された。

 今回の1株当たり売却価格900ペソは、15日のPSEでの終値970.50ペソを7.26%下回る水準であったことから、16日のAC株価は一時915ペソまで急落した。終値も919ペソで、15日の終値を5.3%下回る水準であり、大型優良株らしからぬ下落ピッチとなった。

 このところフィリピン株式市場は回復基調を辿ってきているが、主力のAC株急落などにより、16日のPSE指数(PSEi)終値は前日比148.72 ポイント安の7,864.70ポイント、率にして1.85%の急落となった。

 なお三菱商事は、2018年3月20日にも、AC株式の一部850万株(発行済み株式の1.3%)を売却した。売却価格は1株当たり934ペソ、売却総額は79億3,900万ペソであった。今回の売却で2年連続の売却となった。この2回の売却で、三菱商事のAC株保有比率は10.15%から6.6%程度(手許計算)へと低下したとみられる。今回の追加売却後でも、三菱商事ACの主要株主であることには変わりないが、株式市場へのインパクトは大きなものであった。