2018年の新車総販売台数、15%減の40万2千台

首位トヨタのシェア38%、日産8.7%へ急上昇し第4位に

2019/01/28

 先頃、フィリピン自動車工業会(CAMPI)は、2018年の新車販売台数(工業会加盟企業分)が前年比16%減の35万7,410台にとどまったと発表した。車種別では、乗用車が同21.8%減の10万9,020台(構成比30.5%)、商用車が同13.3%減の24万8,390台(構成比69.5%)と双方二桁減少となった。
 
 この35万7,410台という2018年販売台数や前年比などは、工業会加盟企業ベースの数値であり、CAMPIを脱退している韓国系の現代アジア・リソース(HARI)など自動車輸入販売企業協会(AVID)単独加盟企業分などを含まないベースである。

 自動車専門誌などによると、工業会加盟企業、AVID加盟企業、非加盟独立系企業の合計から重複加盟分(フォードなど)を調整した2018年のフィリピン新車総販売台数は同15%減の40万2千台であった。

 予想された通り、2018年は車両税改定(大半の車種が増税)にくわえ、インフレ率上昇による実質購買力の低下、金利上昇の影響などで前年比二桁マイナスという結果となった。2017年のフィリピン国内四輪車新車販売台数は6年連続での史上最高記録更新となったが、2018年はその最高記録連続更新が途絶えた。

 2018年のブランド別総販売首位は、トヨタの15万2,389台(シェア37.9%)で依然断トツであった。そして、第2位が三菱自動車の6万6,081台(シェア16.5%)、第3位が現代自動車の3万5,401台(シェア8.8%)、第4位が日産自動車の3万4,952台(シェア8.7%)、第5位がフォードの2万3,571台(シェア5.9%)、第6位がホンダの2万3,294台(シェア5.8%)、第7位がスズキの1万9,740台(シェア4.9%)、第8位がいすゞの1万6,729台(シェア4.2%)と続く。 

 業界全体の新車販売台数が二桁減少する中で、日産フィリピンの販売台数が39.8%増と大幅増加、シェアも前年の5.3%から急上昇、ついに第4位にまで上昇していることが注目される。日産自動車のフィリピンでのシェアは2012年には3%台まで低下したが、2013年末のフィリピン日産(NPI、本社:マニラ首都圏)設立など販売基盤再強化策が奏功しているといえよう。 
 
 また、スズキの販売台数が2.5%増と増加、シェアも前年の4.1%から4.9%へ上昇、7位となったことが注目される。スズキ車の省エネ性、割安感、経済的パフォーマンスなどに対する評価が高まっていることと、新型車積極投入、販売網拡充の相乗効果といえよう。