2018年の新車販売総括:日本車の高人気が続く

首位トヨタ・ヴィオス、いすゞ小型トラックで20年連続首位

2019/02/12

 フィリピン自動車工業会(CAMPI)など工業会加盟企業、自動車輸入販売企業協会(AVID)加盟企業、非加盟独立系企業の合計から重複加盟分(フォードなど)を調整した2018年のフィリピン新車総販売台数は前年比15%減の40万2千台にとどまった。予想通り、2018年は車両税改定(大半の車種が増税)にくわえ、インフレ率上昇による実質購買力の低下、金利上昇の影響などで前年比二桁マイナスという結果となった。
 
 既報のとおり、2018年のブランド別総販売首位は、トヨタの15万2,389台(シェア37.9%)で依然断トツであった。そして、第2位が三菱自動車の6万6,081台(シェア16.5%)、第3位が現代自動車の3万5,401台(シェア8.8%)、第4位が日産自動車の3万4,952台(シェア8.7%)、第5位がフォードの2万3,571台(シェア5.9%)、第6位がホンダの2万3,294台(シェア5.8%)、第7位がスズキの1万9,740台(シェア4.9%)、第8位がいすゞの1万6,729台(シェア4.2%)と続く。

 日産自動車の販売台数が39.8%増と大幅増加、シェアも前年の5.3%から急上昇、ついに第4位にまで上昇していることが注目される。2013年末のフィリピン日産(NPI、本社:マニラ首都圏)設立など販売基盤再強化策が奏功しているといえよう。 
 また、スズキの販売台数が2.5%増と増加、シェアも前年の4.1%から4.9%へ上昇、7位となったことが注目される。スズキ車の省エネ性、割安感、経済的パフォーマンスなどに対する評価が高まっていることと、新型車積極投入、販売網拡充の相乗効果といえよう。
 
 2018年の個別車種販売台数ランキングは、1位がトヨタ・ヴィオス(コンパクトセダン)2万5,840台であった。そして、2位がトヨタ・フォーチュナー(SUV)2万3,082台、3位がトヨタ・ウイゴー(ミニハッチバック)2万1,234台、4位がトヨタ・ハイラックス(ピックアップトラック)1万8,237台、5位がトヨタ・イノーバ(MUV)1万8,175台、6位がトヨタ・ハイエース(バン)1万7,972台と続く。

 トヨタが首位から6位までを占めた後に、7位三菱モンテロ・スポーツ(SUV)1万6,148台、8位日産ナバラ(ピックアップトラック)1万6,140台、9位が三菱ミラージュG4(コンパクトセダン)1万4,810台、10位が三菱エクスパンダー(クロスオーバーMPV)1万3,502台と続く。
 トヨタは2018年まで17年連続で、フィリピン自動車市場の三冠王(総販売台数、商用車販売台数、乗用車販売台数いずれもトップ)となっている。

 高級車(プレミアムカー)セグメントにおいては、首位はメルセデスベンツの773台、2位はレクサスの615台、3位がBMWの508台であった。2018年の高級車販売が急減するなかで、レクサスがBMWを抜いて2位に浮上したことが注目される。

 一方、トラック市場においては、小型トラック(カテゴリー3)、中型トラック・バス(カテゴリー4)、大型トラック・バス(カテゴリー5)合計の販売台数首位はいすゞの6,258台であった。2位は日野自動車の3,928台、3位はフォトン(福田汽車)の2,374台、4位は三菱ふそうの1,431台であった。
 
 いすゞは、全トラック販売台数において19年連続での首位、小型トラック(カテゴリー3)では20年連続での首位となった。