オカダ・マニラ、2018年は62億円の営業損失

純営業収入は489億円へ急増、今年続伸へ

2019/02/15

 カジノ・娯楽関連企業ユニバーサルテンターテインメント(ジャスダック上場、以下UE社)は2月14日、2018年年間の連結決算を発表した。
 
 それによると、統合型リゾート(IR)事業(オカダ・マニラ)の売上高は489億3,900万円(総売上高からゲーミング税とジャックポット費用を控除したもの)、営業損失は62億0,600万円となった。調整後EBITDA(営業損益+減価償却費及び償却費+その他の調整項目)は40億8,800万円となり、年間を通じて成長を継続した。UE社が決算期末をこれまでの3月末から12月末からへと変更したため対前年比増減率は表示されていない。

 フィリピンのマニラ・ベイ地区で展開している統合型リゾート(IR)施設「Okada Manila」(オカダ・マニラ)では、ホテル客室やレストランといった稼働施設の拡張、VIPカジノエリアのオープン、大手ジャンケットの運営開始、マス向けマーケティング施策の実施等の効果により、売上高は大きく増加した。2018年のフィリピン・カジノ市場は年率13%増という他国では見られない高い成長率を継続しているが、その中でも、統合型リゾートとしての追加施設がオープンし、施設規模及びサービス品質の両面において差別化してきたオカダ・マニラのマーケットシェアは大幅に拡大した。

 ホテル稼働率は98.3%と年間を通じて高い水準を維持。タワーAのホテル客室は第4四半期中に全室オープンした。さらに、第4四半期には、マニラ湾を望む3万平方メートルの広大な庭園「ザ・ガーデン」や、カジノフロア内でライブミュージックを楽しめるエンターテインメント・バー「ザ・コーラル・ラウンジ」が新たにオープン。これらの影響もあり、月間来場者数は過去最高を更新し続けている。

 オカダ・マニラでは、引き続き稼動施設の拡張に注力していく。タワーBホテルの客室数がさらに増えることで、カジノ事業が引き続き成長し、団体客のイベントや海外ツアー客のさらなる受け入れが見込まれる。VIP向けカジノでは、既存のジャンケットによる継続的な収益増加に加え、新たに契約予定のジャンケットによる売上追加が期待される。なお、ローリングチップ数に対する勝率は、2.7%から3.0%を想定している。また、マスマーケット向けカジノにおいても、マーケティング施策の継続・改善と、更なる施設拡張に伴う成長が見込まれる。ホテル客室数や、ショッピングモール店舗、その他施設の追加によって、リゾート全体への来場者数が増え、マスマーケット向けのカジノ売上が増加すると予想している。
 
 UEグループは、統合型リゾート(IR)事業の中核会社である「タイガーリゾート・レジャー&エンターテインメント(タイガー・リゾーツ社)」の成長を加速させるために、2019年中のタイガー・リゾーツ社の株式公開(フィリピン証券取引所[PSE])上場に向けて準備を進めている。株式公開準備の一貫として、PSE上場企業Asiabest Group International Inc.(アジアベスト・グループ・インターナショナル、ABG)の株式の66.6%を取得したことを今年2月4日に発表した。

 PSE上場ではあるがほぼ休眠状態の持株会社ABGを買収することで、PSEに裏口上場(バックドア・リスティング)しつつある。(19年2月14日のユニバーサルエンターテインメント発表などより)。