比トヨタ、18年の帰属純利益40%減の80億ペソ
税制改革等の影響、売上は14%減の1,592億ペソ
2019/03/28
大手商業銀行であるメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク)グループの持株会社GTキャピタル・ホールディングス(GTCAP)がトヨタ車事業を強化してきている。GTCAPは、トヨタ自動車の製造・販売拠点であるトヨタモーター フィリピン(TMP)の株式保有比率を51%に高めているほか、有力販社であるトヨタ マニラベイ(TMBC)の58.05%を保有している。さらに、2014年9月には、トヨタ ファイナンシャルサービス フィリピン(TFSPC)株式40%を取得した。
これらのトヨタ関連各社は各々存在感を強めている。特に、TMPの強さが際立っており、2018年まで17年連続の3冠王(総合販売台数、乗用車販売、商用車販売いずれも首位)となっている。2018年の個別車種販売台数ランキングにおいても、1位がトヨタ・ヴィオス(コンパクトセダン)2万5,840台であった。そして、2位がトヨタ・フォーチュナー(SUV)2万3,082台、3位がトヨタ・ウイゴー(ミニハッチバック)2万1,234台、4位がトヨタ・ハイラックス(ピックアップトラック)1万8,237台、5位がトヨタ・イノーバ(MUV)1万8,175台、6位がトヨタ・ハイエース(バン)1万7,972台と続く。すなわち、トヨタが首位から6位までを占めたのである。
ただ、2018年のTMPの業績は、車両税改定(大半の車種が増税)にくわえ、インフレ率上昇による実質購買力の低下、金利上昇という業界全体へ逆風の影響を受けるかたちとなった。
3月27日発表のGTCAPのインフォメーション・ステートメントによると、2018年のTMPの卸売ベースの販売台数は前年比(以下同様)15%減の15万5,508台、小売ベースの販売台数も17%減の15万3,004台となった。上記のような業界全体への逆風や第1四半期の商業車供給不足などにより二桁減少となった。市場シェアは38.2%と依然高水準ながら前年の38.9%から低下した。
これらの結果、売上高は14.1%減の1,592億ペソにとどまった。減収にくわえ、ペソ安などにともなうコスト増や販管増加などで、営業利益は38.2%減の103億77550万ペソ、帰属純利益は39.7%減の79億5,240万ペソへと二桁減少した。減収減益となったものの、売上高や利益額は依然高水準であるし、車両税改定に伴う販売数量減少、ペソ安という環境下としては、底堅い業績推移であったといえよう。
下表の様に、年間ベースの帰属純利益は2013年が前年比50%増の42億ペソ、14年が同71%増の72億ペソと連続で急増した。そして、15年には100億ペソの大台を突破、さらに、16年、17年と続伸し、3年連続で100億ペソの大台を突破した。2018年は一時的要因で減益となったものの、積極的な新車投入、販売ネットワーク強化などを進めており、2019年以降再上昇基調となることが期待される。
トヨタモーター・フィリピン(TMP)の業績等の推移(単位:百万ペソ)
(出所:GTキャピタルインフォメーション・ステートメントなどより作成)
なお、TMPは、1988年8月3日にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立された。すなわち、昨年8月に設立30周年を迎えたのである。出資比率はトヨタ自動車34%、三井物産15%、メトロバンク・グループ(GTCAP)51%となっている。現在、「ヴィオス」や「イノーバ」を現地生産しているほか、各種乗用車、商用車の輸入販売、国内向け部品販売、部品輸出などを手掛けている、2018年末の販売拠点は、販社「レクサス・マニラ」を含む69に達している。
販社「レクサス・マニラ」は、ハイブリッド車を含む各種レクサス車の輸入販売を行っている。2009年1月に開業し今年10周年を迎えた。「レクサス・マニラ」は三井物産との合弁企業であり、TMPの出資比率は75%、三井物産の出資比率が25%となっている。
これらのトヨタ関連各社は各々存在感を強めている。特に、TMPの強さが際立っており、2018年まで17年連続の3冠王(総合販売台数、乗用車販売、商用車販売いずれも首位)となっている。2018年の個別車種販売台数ランキングにおいても、1位がトヨタ・ヴィオス(コンパクトセダン)2万5,840台であった。そして、2位がトヨタ・フォーチュナー(SUV)2万3,082台、3位がトヨタ・ウイゴー(ミニハッチバック)2万1,234台、4位がトヨタ・ハイラックス(ピックアップトラック)1万8,237台、5位がトヨタ・イノーバ(MUV)1万8,175台、6位がトヨタ・ハイエース(バン)1万7,972台と続く。すなわち、トヨタが首位から6位までを占めたのである。
ただ、2018年のTMPの業績は、車両税改定(大半の車種が増税)
3月27日発表のGTCAPのインフォメーション・ステートメントによると、2018年のTMPの卸売ベースの販売台数は前年比(以下同様)15%減の15万5,508台、小売ベースの販売台数も17%減の15万3,004台となった。上記のような業界全体への逆風や第1四半期の商業車供給不足などにより二桁減少となった。市場シェアは38.2%と依然高水準ながら前年の38.9%から低下した。
これらの結果、売上高は14.1%減の1,592億ペソにとどまった。減収にくわえ、ペソ安などにともなうコスト増や販管増加などで、営業利益は38.2%減の103億77550万ペソ、帰属純利益は39.7%減の79億5,240万ペソへと二桁減少した。減収減益となったものの、売上高や利益額は依然高水準であるし、車両税改定に伴う販売数量減少、ペソ安という環境下としては、底堅い業績推移であったといえよう。
下表の様に、年間ベースの帰属純利益は2013年が前年比50%増の42億ペソ、14年が同71%増の72億ペソと連続で急増した。そして、15年には100億ペソの大台を突破、さらに、16年、17年と続伸し、3年連続で100億ペソの大台を突破した。2018年は一時的要因で減益となったものの、積極的な新車投入、販売ネットワーク強化などを進めており、2019年以降再上昇基調となることが期待される。
トヨタモーター・フィリピン(TMP)の業績等の推移(単位:百万ペソ)
年 | 13年 | 14年 | 15年 | 16年 | 17年 | 18年 | 伸び率 |
売上高 | 80,676.6 | 104,886.9 | 114,289.4 | 155,832.5 | 185,337.1 | 159,150.1 | -14.1% |
粗利益 | 10,256.6 | 14,628.9 | 18,298.5 | 21,072.3 | 23,058.8 | 16,694.7 | -27.6% |
営業利益 | 5,719.1 | 9,859.3 | 13,909.9 | 15,669.0 | 16,798.2 | 10,377.5 | -38.2% |
帰属純利益 | 4,219.0 | 7,208.8 | 10,194.6 | 11,929.0 | 13,186.1 | 7,952.4 | -39.7% |
総資産 | 23,750.0 | 26,681.4 | 32,278.3 | 36,003.4 | 42,158.3 | 36,427.5 | -13.6% |
株主資本 | 9,285.9 | 11,923.3 | 15,228.4 | 17,492.3 | 19,147.6 | 15,237.6 | -20.4% |
なお、TMPは、1988年8月3日にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立された。すなわち、昨年8月に設立30周年を迎えたのである。出資比率はトヨタ自動車34%、三井物産15%、メトロバンク・グループ(GTCAP)51%となっている。現在、「ヴィオス」や「イノーバ」を現地生産しているほか、各種乗用車、商用車の輸入販売、国内向け部品販売、部品輸出などを手掛けている、2018年末の販売拠点は、販社「レクサス・マニラ」を含む69に達している。
販社「レクサス・マニラ」は、ハイブリッド車を含む各種レクサス車の輸入販売を行っている。2009年1月に開業し今年10周年を迎えた。「レクサス・マニラ」は三井物産との合弁企業であり、TMPの出資比率は75%、三井物産の出資比率が25%となっている。