東洋建設、ミンダナオの洪水対策工事59億円受注

カガヤンデオロ川堤防建設、多くの実績や技術力背景

2019/04/03

 東洋建設(本社:東京都千代田区)は、フィリピン公共事業道路省(DPWH)発注の「カガヤンデオロ洪水対策工事(パッケージ2)を受注し、3月7日に契約調印した。本工事は、日本政府が独立行政法人国際協力機構(JICA)を通じて供与する有償資金協力(円借款)のうち、一般円借款が適用されており、受注金額は約59億円、工期は36カ月となる。

 フィリピンは、世界でも自然災害の多い国のひとつで、2011年12月には北部ミンダナオ地域を中心に台風センドンが直撃し、被災者約117万人、死者約1,250人という甚大な被害が生じた。なかでも、カガヤンデオロ川下流に位置するカガヤンデオロ市は、これまで十分な洪水対策がとられておらず、台風センドンによってもたらされた上流からの鉄砲水が河川沿いの集落に壊滅的な被害を与えた。

 本工事では、カガヤンデオロ川流域において堤防及び擁壁の修繕・建設などを行う。これにより、同流域の洪水被害の緩和を図り、同地域の安定的な経済・社会の発展に寄与することが期待される。主な工事内容は河川堤防の建設2.3kmであるが、工事区域は住民居住地に隣接していることから、工事の影響を最小限に抑える必要がある。そのため日本の高い施工技術が求められており、日本の技術である静的サンドコンパクションパイル工法が採用されている。

 今回の受注は、東洋建設の技術力とフィリピンにおける多くの実績が高く評価されたものである。東洋建設は技術力を最大限に発揮して工事を完成させ、フィリピン経済の発展と日本政府が推進する持続可能な開発目標(SDGs)達成のための「質の高いインフラ投資」に貢献して行く方針である(19年4月2日の東洋建設株式会社ニュースリリースなどより)。

 なお、東洋建設は、フィリピンに1973年に進出して以来、様々な事業に参画し、土木工事分野では、アグノ川流域緊急復旧工事(ルソン島中部)、オルモック市洪水対策工事(レイテ島)、ラオアグ川治水・防砂工事(ルソン島北部)、パシグ・マリキナ川河川改修工事(マニラ首都圏)等の実績を着実に積上げてきている。
 
 建設工事分野では、日本電産フィリピン工場(CCT施工)、本田技研フィリピン工場(CCT施工)、富士電機フィリピン工場(CCT施工)、東海理化フィリピン工場(CCT施工)、スズキフィリピン工場(CCT施工)、ブラザーフィリピン工場、バンダイナムコフィリピン工場(CCT施工)、テキサスインスツルメンスフィリピン第5工場、オーロラ州記念病院などの建設実績がある。