第1四半期決算発表開始、最大行BDOは66%増益

純利益98億ペソ、年間目標18%増の385億ペソ

2019/04/23

 フィリピン証券取引所(PSE)上場企業の2018年決算発表がほぼ完了、早くも2019年第1四半期(1月~3月)の決算発表が開始された。

 フィリピンの最大銀行であるBDOユニバンク(BDO)は、4月22日、2019年第1四半期(1月~3月)の決算概況を発表した。それによると、今第1四半期の主力の純金利収入は前年同期比(以下同様)25%増の277億ペソと好調であった。非金利収入も149億ペソに達した。特に、売買・為替益が22億ペソで不振であった前年同期の2,400万ペソから急回復した。

 営業費用も22%増の283億ペソへと増加したが、増収効果などにより純利益は66%増の98億ペソへと急増した。売買益など除いたコア純利益ベースでは21%増益、すなわち実質21%増益であったとのことである。2018年の年間純利益は前年比17%増の327億ペソで連続最高益更新を継続したが、2019年も好調なスタートとなった。BDOは、2019年純利益目標を18%増の385億ペソと設定している。

 BDOの資産規模トップの座は一段と強固になっている。2018年末の総資産はフィリピン銀行業界で初めて3兆ペソを突破したが一段と拡大しつつある。財務体質の改善も進んでおり、2019年3月末の不良債権(NPL)比率は1.2%と低水準、不良債権貸倒引当率は163%で前年同期の156%から一段と向上している。また、自己資本額は約3,384億ペソに達しており、バーゼルⅢ基準による自己資本比率(CAR)は14%、普通株中核自己資本(CET1)比率は12.4%で、中央銀行の各々の最低基準である10%、8.5%をかなり上回っている。
 
 BDOの本店所在地はマニラ首都圏 マカティ市。フィリピン全土に1,300店以上の店舗、4,000台以上のATMを有している。 また、ジャパンデスクを設置しており、日系企業向けサポート体制が充実している。日本企業のフィリピン進出増加に対応すべく、日本の国際協力銀行(JBIC)や有力地方銀行との提携を進めてきている(19年4月22日のフィリピン証券取引所回覧02573-2019号などより)。