東京ガス等のLNG基地事業、28日に起工式実施

2019/05/29

 東京ガスとロペス財閥傘下の発電企業ファースト ジェン社(FGEN、本社:マニラ首都圏パシグ市)は5月28日、フィリピンにおけるLNG受入基地の建設および運営事業の''鏡開き''起工式を開催した。

 東京ガスがフィリピンにおけるエネルギーインフラ事業開発に参画するのは初めてとなる。この事業は、フィリピン国内で今後減産・枯渇が予測される天然ガスに代わりLNGが導入されることに向けて、東京ガスとFGEN(運営企業は100%子会社のFGEN LNG社)が共同でLNG受入基地の建設および運営を目指すものである。このLNG受け入れ基地は、バタンガス州バタンガス市のFGENクリーンエネルギー・コンプレックス内に設置されるものであり、起工式も同コンプレックスにて執り行われた。このLNG受入基地が完成すれば、マランパヤ(Malampaya)ガス田が枯渇してもクリーンエネルギーの継続的な安定供給が可能となる。

 東京ガスとFGENは、2018年12月5日に、この事業に関する共同開発協定(JDA)を締結した。FGENは、フィリピン国内における全天然ガス火力発電容量の約6割(2,000メガワット)を保有している国内最大の天然ガス需要家である。天然ガス火力発電容量2,000メガワット(MW)は4つの天然ガス火力発電所の発電容量合計であり、内訳はサンタリタ発電所(1,000MW)、サンロレンソ発電所(500MW)、サンガブリエル発電所(414MW)、アビオン発電所(96MW)である。現在は、4発電所ともマランパヤガス田産出の天然ガスを利用している。

 一方、東京ガスは、1969年11月4日に日本で初めてLNGを導入した。すなわち、LNG導入50周年を迎えつつある。東京ガスグループは、今後も総合エネルギー事業に関わる技術・ノウハウを活かし、東南アジア・北米において事業展開する顧客へのエネルギーソリューションや、現地のエネルギーインフラ構築などに貢献していくとともに、現地エネルギー会社とのアライアンスなどを通じて、現地におけるバリューチェーン展開にもチャレンジして行く方針である(19年5月28日のフィリピン証券取引所回覧03674-2019号などより)。