日比首脳会談、一層の安全保障協力促進へ

比の福島産水産物輸入停止措置解除を歓迎

2019/05/31

  5月31日、午後6時30分から約50分間、安倍晋三内閣総理大臣は、訪日中のロドリゴ・ドゥテルテ・フィリピン共和国大統領と会談を行った。概要は以下のとおり。会談には、麻生太郎副総理兼財務大臣及び河野太郎外務大臣他が同席した。

1.冒頭、安倍総理大臣から、昨年11月に会談して以来、再会できて嬉しい旨述べるとともに、今月行われたフィリピン中間選挙での圧倒的勝利に祝意を述べた。

2.本年2月にバンサモロ暫定自治政府が発足し、新たな段階に入ったミンダナオ和平に関し、安倍総理大臣は、ミンダナオの人々が一日も早く平和の恩恵を実感できるよう、日本は和平の進捗に応じて支援を強化していくと述べた。これに対し、ドゥテルテ大統領から深い感謝が述べられた。また、日本は、ドゥテルテ大統領による積極的なインフラ整備政策「Build,Build,Build」を支える最大のパートナーであり、引き続き、フィリピンの期待と信頼に応えていくと述べた。これに対し、ドゥテルテ大統領から、これまでの日本による支援はあらゆる支援の最高の基準(gold standard)であるとして謝意が表明された。

3.両首脳は、戦略的パートナーである日・フィリピン両国が、安全保障の分野で共同訓練や能力構築支援など協力を進めると同時に、本年6月に開催予定の日フィリピン外務・防衛当局間(PM)・防衛当局間(MM)協議及び海洋協議を通じて政策面での議論も深めていくことで一致した。

4.安倍総理大臣は、フィリピン政府が東日本大震災後の福島県産水産物の輸入停止措置の解除を決定したことを歓迎し、検査報告書等の要求も含め、科学的根拠に基づき早期に撤廃されるよう要請した。また、安倍総理大臣は、本年3月に諸外国に先駆けてフィリピンとの間で新しい在留資格「特定技能」に関する協力覚書が作成され、マニラにて介護分野の試験が既に2度行われたことを歓迎する、今後、労働者の保護にも十分留意しながら、円滑な受入れを進めるため緊密に協力していきたいと述べた。

5.また、両首脳は、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の実現や、北朝鮮の非核化に向けた安保理決議の完全な履行、拉致問題の早期解決、南シナ海問題といった課題で連携を強化していくことを確認した(19年5月31日の日本外務省発表より)。