比横浜タイヤ、工場屋根に太陽光発電システム設置

シャープと共同の二国間クレジット制度資金支援事業

2019/07/10

  横浜ゴムは地球温暖化の防止や天然資源の保全活動の一環として、フィリピンのタイヤ生産販売子会社であるYokohama Tire Philippines, Inc.(ヨコハマタイヤフィリピン)の生産工場の屋根に太陽光発電システムを設置し、7月4日より運転を開始した。

 設置した太陽光発電システムの出力規模は約4MW-dcで、年間予測発電量は約5,363MWhである。発電した電気は同工場で使用し、年間で約2,858tCO2の温室効果ガス排出量を削減できる見込みである。なお、本件はシャープエネルギーソリューションと共同で日本の環境省が実施する「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」の採択を受けて実施している。本プロジェクトはフィリピン政府と日本政府の協力の下で実施されている。

 なお、二国間クレジット制度(JCM)は、途上国において、優れた低炭素技術等の普及を通じてCO2(温室効果ガス)の削減を実現し、削減されたCO2算出量の一部を、日本の排出削減量として計上することを目指すための二国間制度である。途上国への温室効果ガス削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価するとともに、日本の削減目標の達成に活用するものである。現在、JCMのパートナー国は17カ国となっている

 横浜ゴムは、地球温暖化防止の長期目標として「2050年までにグループのバリューチェーン全体で排出するCO2総量を基準年(2005年度)比で50%以上削減する」を掲げている。目標達成の一環として太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの活用を進めており、ヨコハマタイヤフィリピン以外に中国の杭州横浜輪胎有限公司、蘇州優科豪馬輪胎有限公司、インドのヨコハマインディア、日本の三重工場、三島工場、研究開発センター「RADIC」に太陽光発電システムを、平塚製造所、新城南工場には太陽光+風力発電システムを導入している。また、エネルギー効率の良い設備の導入や物流のモーダルシフト化など様々な省エネ活動を強化し、エネルギー使用量の削減に努めている。

 横浜ゴムは、2018年2月に策定した中期経営計画「グランドデザイン2020(GD2020)」において各事業の成長戦略を通じた経営基盤の強化を掲げている。CSRでは「未来への思いやり」をコンセプトに「地球環境」、「地域社会」、「顧客」など6つのステークホルダーごとに事業活動を通じた価値創造を推進している(19年7月9日の横浜ゴム株式会社ニュースリリースなどより)。