住友商事など、比南北通勤鉄道車両250億円受注

総合車両のステンレス車両104両:JICA支援事業

2019/07/17

 住友商事(本社:東京都千代田区)および総合車両製作所(J-TREC、本社:神奈川県横浜市)は、フィリピン運輸省(DOTr)から南北通勤鉄道事業フェーズ1(マニラ市ツツバン~ブラカン州マロロス区間)の車両納入パッケージCP03(南北通勤鉄道向け鉄道車両104両納入プロジェクト、以下「本プロジェクト」)を受注し、7月16日に契約調印した。 

 フィリピンは近年、GDP成長率6~7パーセントで推移しており、ASEAN諸国の中でも高い経済成長を誇る。人口は1億人を超え(世界第12位)、中でもマニラ首都圏の人口急増は著しく人口集中による交通渋滞は深刻である。人々の移動や貨物物流への影響など、交通渋滞による年間の社会的損失は約2.4兆円といわれている。

 本プロジェクトは、国際協力機構とフィリピンとの有償資金協力に基づき計画された日本国政府開発援助事業である。マニラ首都圏と周辺都市を南北に結ぶ「南北通勤鉄道計画」のうち、マニラ市ツツバンと北方のブラカン州マロロス区間(約38キロメートル)を走る鉄道車両104両(8両×13編成)を設計、製造し、DOTrに納入する。マニラ首都圏の交通ネットワーク強化を実現し、交通渋滞の緩和に寄与するプロジェクトである。契約金額は約250億円で、2023年2月に全車両を引き渡す予定である。

 住友商事は、これまでに国内外で積極的に鉄道関連ビジネスを展開しており、東南アジア、米国、東アジアを中心に数多くの鉄道建設案件、車両輸出案件を手掛けてきた。住友商事は、豊富な経験を生かして本プロジェクトの着実かつスムーズな契約履行を推進していく。

 J-TRECは、ステンレス車両製造のパイオニアとして長年培ってきた技術・ノウハウを結集した次世代ステンレス車両ブランドである「sustina」を国内外で積極的に展開し、納入してきた。本プロジェクトにおいても、「sustina」を提供することで、フィリピンの交通渋滞の緩和や地域の発展に寄与していく。「sustina」は、省エネルギー性、安全性、保守性を向上させた、J-TRECが設計・製造する次世代ステンレス車両のブランド名である(19年7月16日の住友商事株式会社ニュースリリースなどより)。