比セブン-イレブン、セブン銀行サービス導入意向

来年ATM300台導入へ、今年末3千店達成目標

2019/07/19

 フィリピンでもコンビニエンス業界の競争が激化しつつある。現在は業界断トツのセブン-イレブンをマーキュリー・セルフサービス、ミニストップ、ファミリーマートなどが追うという構図になっている。2015年3月にはローソンもフィリピン1号店をオープン、2019年6月末で45店に達しているとみられる。

 首位のセブン-イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが52.216%(2018年12月末現在)を所有するフィリピン・セブン社(PSC)によって運営されている。PSCは1982年11月に設立され、1998年2月にフィリピン証券取引所(PSE)に上場した。1984年2月にケソン市エドサ通り沿いに1号店オープン、その後、店舗網拡充に注力、2013年末に1,000店の大台を突破、2018年末には2,550店に達した

 2019年も店舗数が順調に増加している。2019年3月末で2,593店に達し、前年同月末の2,329店から264店、率にして11.3%増加した。今第1四半期は、56店を新規オープン、13店を閉鎖、すなわち43店の純増となっている。そして、ミニストップ(3月末512店)やファミリーマート(同69店)などとの差を拡大させている。3月末のセブン-イレブン2,593店の地域別内訳はルソン地域1,995店(うちマニラ首都圏943店)、セブを中心とするビサヤ地域370店、ダバオを中心とするミンダナオ地域228店となっている。また自営店が46%、フランチャイズ店が54%となっている。

 PSCは、7月18日開催の年次株主総会において、「現在の店舗数は約2,700店に達しているが、2019年末までに3,000店体制を構築することを目指す」と表明した。そして、2020年に300台のATMを配置、セブン銀行方式のサービスを開始する計画であるとも表明した。

 セブン銀行は、日本では多くの国内金融機関等と提携し、原則24時間365日稼働する利便性の高いATMネットワークを介して、顧客にATMサービスを提供する事業を展開している。また、普通預金や定期預金、ローンサービス、海外送金サービス、デビットサービスなどの身近で便利なサービスを提供している。PSCは、セブン銀行の支援を受けながら、各種ATMサービスを提供することを視野に入れている。

 フィリピンのセブン-イレブン店舗数(年末)とPSC年間純利益推移(単位:百万ペソ)
時期 06年 07年 08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年
店舗数 287 311 368 447 551 689 829 1,009 1,282 1,602 1,995 2.285 2,550
純利益 20.1 54.8 84.3 155.8 276.9 356.3 465.2 682.6 873.3 1,008.3 1,175.5 1,317.9 1,531.8
(出所:フィリピン・セブン資料などより作成)  
 
主な日本ブランドのコンビニ店舗数(年末・月末値、比セブン-イレブンやファミリーマートは資本的には非日系)

年・月 15年 16年 17年 18年 19年
3月 6月 9月 12月 3月 6月
セブン-イレブン 1,602 1,995 2,285 2,329 2,386 2,442 2,550 2,593 2,660(推)
ミニストップ 519 499 496 489 488 496 499 512 518
ファミリーマート 120 99 66 64 65 66 69 69 73
ローソン 16 29 31 34 34 36 38 39 45(推)
(出所:各社資料より作成、ミニストップとファミリーマートは日本側発表数値、セブン-イレブンとローソンはウェブ等から推計)