博報堂ネットワーク・フィリピン、事業積極拡大へ

生活総合研究所、「アセアン生活者フォーラム」開催

2019/08/02

 博報堂(本社:東京都港区)がフィリピン事業基盤を急ピッチで拡充しつつある。

 博報堂は、2018年5月、フィリピンのブランドエージェンシー「IdeasXMachina Advertising, Inc. (アイディアズ・バイ・マッキーナ・アドバタイジング) 」(以下、IXM社)の株式を取得した。IXM社は、コピーライター出身の代表取締役社長のサード ドミンゴ氏を中核に、社員の半分以上がクリエイティブ職で構成される、クリエイティブに強みをもつブランドエージェンシーである。フィルムやグラフィック部門で、フィリピン国内の広告賞を多数受賞しており、業界内外で高い評価を得ている。

 2018年9月には、マニラのブランドエージェンシー「Beginnings Communications, Inc.(ビギニングス・コミュニケーションズ、以下BCI社)」と、イベント会社「eNAV Logistics Management Services, Inc.(イーナブ・ロジスティックス・マネジメントサービス、以下eNAV社)」の株式を取得した。
 BCI社は、マーケティング・ブランド戦略の構築からクリエイティブ、プロモーションの実行まで手がけるブランドエージェンシーである。企業や商品・サービスのマーケティング・ブランディングにおいて、ローカル企業に加え、日系企業やグローバル企業まで幅広いクライアントへの支援に実績を有している。近年ではデータドリブンマーケティング領域にも力を入れており、博報堂とも多くのプロジェクトで協業をしてきている。eNAV社は、フィリピン全土での大小さまざまなイベント及びアクティベーションの企画・運営に強みを有する企業である。

 博報堂グループは、買収した上記の3社を統括(博報堂ネットワーク・フィリピンという概念)、年6~7%の高い経済成長の維持が見込まれるフィリピン市場にて、統合マーケティングの対応力を強化し、日系企業、ローカル企業問わずクライアントへ高品質なサービスを提供していく。そして、これまで培ってきた「生活者発想」に基づくマーケティングナレッジを各国の日系企業、ローカル企業、グローバル企業に提供するため、フィリピンなどアジアにおけるマーケティングサービスネットワークの拡充を図っていく方針である。

 その一環として、博報堂生活総合研究所アセアン(博報堂生活総研アセアン)は、8月1日、マニラ首都圏マカティ市のホテルにおいて、アセアン生活者フォーラム「THINK FUTURE-FORWARD ~テクノロジー進化がアセアン生活者をどう変えるのか?~」を開催した。「THINK FUTURE-FORWARDとは、「未来を自ら創り出すように考える」という意味である未来を予測する最良の方法は、未来を自分で創り出すことである。

 このフォーラムでは、IoTやAIなど、“スマートフォンの次のテクノロジー”によって、どのようなメディアが生まれ、生活者の行動、ブランド選択、購買プロセスがどう変わるのか、また企業やブランドが今から備えるべきことについてなどが紹介された。クライアントやメディアなど200名以上が参加、活況なイベントとなった。